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細川成也は高3まで「全然ボールにバットが当たらない」選手だった!今や中日の主砲が見せた驚くべき進化、強烈すぎるロングティー【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.17』】

2024.05.05


明秀日立時代の細川成也

金沢監督も飛ばす能力についてはプロに進んだ教え子の中では一番と絶賛!

プロ志望を決断していた細川選手はドラフトまで、自分の打撃フォームを見つめなおし、そして打撃練習はすべて木製バットで行い、また走り込みやウエイトトレーニング、スクワットといったトレーニングを連日行ってきました。

そしてドラフト直前で取材ができたのですが、181センチ85キロの体格は数字以上にがっしりして見えました。丸太のような腕の太さ、胸筋の大きさに驚かされました。筋力的な数値を聞くと、なんとベンチプレス130キロ、スクワット220キロと、高校生ではトップクラスの数値でした。近くでその体格を目の当たりにすると、威圧感がありました。
そしてロングティーを見せてもらうと、高い弾道の打球を次々と飛ばし、それを見ていた同級生たちからも「エグい!」という声が飛んでいました。
実際にインタビューをすると物静かな好青年で、これまでの歩みをしっかりと話してくれた記憶があります。金沢監督は3年間の成長についてこう語っていました。
「入学当時の彼はまだプロへ行ける選手ではなかったですね。ただ、飛ばす力はあったので化ければすごい選手になるという期待はありました。なかなか化けずに終わってしまう選手が多い中で、彼は見事に化けてくれた。彼の強みは飛距離があり、逆方向にも本塁打が打てることですね」
さらに坂本選手と比較しながら、彼の凄さを語りました。
「坂本は技術が非常に高い選手でしたが、ヒットの延長線上がホームランでした。細川は単純にパワーが凄くて、どこまで飛ばすんだと思わせるぐらいです。パワーに関しては今までの教え子の中でも一番じゃないですか」
迎えたドラフトではDeNAから5位指名を受けました。1年目から一軍に出場し、2本塁打を記録。プロ初本塁打はバックスクリーン弾と高卒1年目とは思えない打球でした。しかしDeNA在籍していた6年間で一軍での本塁打は7本。結果を残せませんでした。

そんな細川選手に転機が訪れます。22年に創設された現役ドラフトで中日に移籍。中日ではスラッガーとして活躍した和田一浩コーチに出会い、打撃が開花。移籍1年目の昨年は24本塁打、78打点、打率.253の好成績で大ブレイク。年俸も3510万円増の4500万円(推定)と大幅昇給しました。

今年もその勢いは止まらず、リーグ2位の7本塁打を記録。そのうち5本が広いバンテリンドームです。課題だったコンタクト力もリーグ2位の打率.308をマークしており、着実に向上しています。
今や球界を代表する右の強打者になりつつある細川選手。当時の取材での最終的な目標として「いずれは日本を代表する4番打者になりたいと思います」と語っていました。

今年はプレミア12が開催されます。今のペースで本塁打を積み重ねていけば、トップチームに選ばれる可能性は高いでしょう。11月には侍ジャパンの4番を背負う姿が見られるかもしれません。

*『主筆・河嶋宗一コラム グラカン!』は毎週日曜配信します。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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