試合レポート

【関西学生】同志社大が好調の京都大を振り切る!両チームで外野手登録の選手が登板する珍事も

2024.04.14


大迫陽斗(同志社大)

同志社大と京都大の1回戦は同志社大が7対5で先勝。この試合では両チームで外野手登録の選手がマウンドに上がる珍事が起こった。

まずは同志社大の大迫 陽斗(3年=小樽双葉)。4対1と3点リードの6回表に一死三塁のチャンスで代打に送られた。ストレートを狙っていたという大迫は2ボールから内角のストレートをセンターに打ち返してキッチリと犠牲フライ。貴重な追加点を奪った。

すると、その裏にはマウンドへ。左腕の大迫は左打者である京都大の3番・中井 壮樹(3年=長田)に対してのワンポイントという形で送り出された。

大迫は中井を1球でセンターフライに打ち取ると、これで出番は終了。清川 大雅(4年=花巻東)にマウンドを託して、ベンチに下がった。

指定校推薦で同志社大に入学した大迫は外野手をメインとしつつ、打撃練習の合間に投球練習を行っているという。昨秋にリーグ戦デビューして、投手として5試合に登板。打席にも2度立ち、1安打を放っている。

「好きなのはバッティングなんですけど、試合に出られるならどこでも良いです」と語る大迫。代打兼左のワンポイントという選手は全国的にも珍しいだろう。

8回表、1対7と劣勢に立たされた京都大のマウンドに上がったのは右翼手としてスタメン出場していた中井。翌日に備えて投手陣を温存する目的で1年秋以来、2度目の公式戦登板となった。

普段は投手としての練習を全くしておらず、オープン戦での登板もなかった中井。それでも1番から始まる同志社大の攻撃を三者凡退に打ち取った。全力で投げれば140キロは出るそうだが、「ストライクを取らないといけないので」とコントロール重視の抑えた投球で、この日の最速は132キロ。打線の中心人物である中井は投手でも非凡なところを見せつけた。

中井の好投で流れを引き寄せた京都大は8回裏に4点を奪って2点差に迫る。すると中井は右翼に戻り、主力投手の一人である西宇 陽(4年=大教大池田)にマウンドを託した。

勢いが止まらない京都大は9回裏にも無死満塁と長打が出れば、一打逆転サヨナラのチャンスを作り、中井に打席が回る。しかし、外角の変化球を振らされて空振り三振。後続も倒れて、逆転勝利とはならなかった。

打撃に関してはあまり調子が良くないという中井。「調子が悪いなりにやっていきたいと思います」と次戦に向けて気持ちを切り替えていた。

関西の大学野球ではこの二人以外にも大阪商業大の板谷 朋生(3年=高知中央)、中山 優月(1年=智辯学園)、大阪経済大の横山 楓眞(1年=明石商)など二刀流で活躍する選手が増えてきている。マルチに活躍する選手たちの活躍に今後も要注目だ。

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この記事の執筆者: 馬場 遼

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