「アーニャ」で話題呼んだ仙台大の最速147キロ左腕・池田亮太 今年は「ピッチャーとしての自分に注目してほしい」
池田亮太(仙台大)
昨年の全日本大学野球選手権。8強入りした仙台大に、グラウンド外でスポットライトを浴びた選手がいた。当時3年生の池田 亮太投手(千葉敬愛)だ。スタンドでアニメ「SPY×FAMILY」のキャラクター・アーニャに扮した応援を披露。ユニークな踊りや口上がSNS上などで話題を呼び、一躍人気者になった。
池田は昨年の“活躍”を「ああやって注目されるのはうれしいことなんですけど…」と振り返りつつ、「やっぱり悔しかったです。マウンドには立っていないので」と本音を明かす。140キロ台の速球を武器に持つ左腕で、2年時にリーグ戦デビューを果たすも、昨年は公式戦登板ゼロ。本職の野球で目立つことはできなかった。
「太ったことでコントロールが悪くなって、ケガもしやすくなった」と不調の要因を分析。今オフは生活習慣を改めて減量に励み、マックス88キロだった体重を75キロまで落とした。一方、「痩せて野球がダメになったら意味がない」との考えでウエイトトレーニングにも力を入れ、筋肉量は維持。大学ラストイヤーを迎える今年のオープン戦はAチームでの起用が続いており、3月には自己最速を1キロ更新する147キロをたたき出した。
3月下旬に開催された東北地区社会人・大学野球対抗戦では、TDK戦で好救援をやってのけた。同点の6回、1死二、三塁のピンチで登板すると、4、5番の左打者二人を連続三振に仕留め、マウンド上で「勝手に出た」という雄叫びを上げた。続く7回は走者を残して降板したものの、この回もチェンジアップで三振を奪うなど持ち味を発揮。池田は「緊迫した場面で投げて抑えられたのは大きな成長。(7回は)3アウトを取り切れない詰めの甘さが出た」と収穫と課題を口にした。
速球はもちろん、5種類の変化球(カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、パーム)も質が高く、投手としての実力は申し分ない。あとは公式戦で結果を残すだけだ。
「去年応援席で見ていたこともあって、今こうやってマウンドに立てていることにすごくありがたみを感じています。今春はまずはケガなく(リーグ戦の)第1戦から優勝決定戦までベンチに入ることが目標。その上で、アーニャとしてではなく、野球をするピッチャーとしての自分に注目してほしいです」
今年は「池田亮太」が、魂の投球で仙台大を勝利に導く。
(取材=川浪康太郎)
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