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名将・渡辺元智監督の孫、元中日・森野を輩出した中本牧シニアが26年ぶりの全国優勝!来年以降の高校野球を盛り上げそうな逸材がたくさん!

2024.04.02


鈴木 陽仁(中本牧シニア)

第96回選抜高等学校大会決勝戦の翌日となった4月1日にシニアの選抜大会の決勝戦が行われた。

決勝戦は中本牧リトルシニアvs大阪福島シニアのカードとなり、6対2で中本牧リトルシニアが26年ぶりの優勝を収めた。

優勝した中本牧リトルシニアは神奈川で活動する名門で、NPBに在籍したプロ野球選手は16人も輩出。引退選手には中日でスラッガーとして活躍した森野 将彦氏(東海大相模)、1998年春夏連覇を達成した横浜の正捕手・小山 良男(元中日、現・中日スカウト)、主力打者・小池 正晃氏(元DeNA・一軍外野守備走塁コーチ)がおり、現役では阪神から中日に移籍した板山 祐太郎外野手(成立学園)、渡辺元智監督(元横浜)の孫・渡辺 佳明内野手(楽天)などがいる。

今年のチームはかなり期待が大きい。昨年は中学硬式日本一を決めるジャイアンツカップで3位、春の選抜で3位、夏の全国大会で準優勝。その中心選手10人が今のチームに残っているのである。実際にシートノックから見ても動きにソツがなく、スローイングも強い。中学生としてはしっかりと走れて、体格も良い選手も多かった。

まず投手陣では、決勝戦で球数制限の影響で未登板だった小林 鉄三郎投手は130キロ中盤の速球を投げ込む本格派左腕で、かなり評判は高い。そして小林と2枚看板を組む鈴木 陽仁投手もかなり筋がよい。176センチ67キロだが、手足が長い投手体型で、テークバックをコンパクトにして、鋭く腕を振っていく。リリースポイントが安定していて、再現性が高いので、安定した投球ができる。

自己最速は131キロで、選抜大会決勝戦のアベレージは125キロほどだった。他の中学生投手は110キロ〜120キロだったことを考えると、一歩抜けている。ストレート以上に良かったのが110キロ台のスライダーで、手元で鋭く落ちていく。

これは昨年のエースで、この春から横浜に入学した若杉 一惺投手から教わったという。体ができれば、130キロ台を当たり前のように出す可能性があり、コントロールに不安がない投球フォーム、そしてフィールディング、牽制の動きもソツがないので、高校野球関係者から人気になる素材だと思う。

小林、鈴木の進路はかなり注目されるのではないか。

野手では前チームから経験者の田中 歩希外野手、河内 景虎内野手、富塚 の3人に注目。
田中は決勝戦でも3打点の活躍。177センチ67キロと中学生としては上背があり、スクエアスタンスの構えからインサイドアウトのスイングを心掛け、広角に鋭い打球を飛ばす。田中も「逆方向に強い打球を打つのは自信を持っています」と胸を張る。中学通算5本塁打だが、打撃技術は高く、守備を見ると堅実なスローイングを心掛け、攻守ともに優れた逸材だ。

冨塚はがっしり体型のファースト。決勝戦でも痛烈な2点適時打。パワフルなスイングは高校でも本塁打量産を期待させてくれるようなスラッガーだった。

河内は手足も長く、大型遊撃手候補になりそうな逸材。ハンドリングが巧みで、難しいバウンドも処理し、スローイングも強い。高校レベルを考えると、まだまだ打球に対する反応など課題はあるが、肩も強くて、身のこなしが軽快で、上背もある。育てがいのある選手になるのではないか。

守備の要・北垣 旺己捕手。スローイングは無駄がなく、イニング間の送球は2.10秒〜2.20秒ぐらいだが、これからフィジカルで肩を鍛えれば、高校では2秒切りも期待できる。投手の状態や、そして打者を見ながら、弱点を突くリードをしていて、冷静にプレーをしている。良い捕手をスカウトしたい高校にとってはおすすめな選手だ。

チームの成績だけではなく、この中からシニア日本代表や、侍ジャパンのU-15代表も出てもおかしくない。もちろん彼らが入学する25年以降は高校野球を盛り上げてくれるかもしれない。

ぜひ今から中本牧リトルシニアの選手たちの成長ぶりに注目だ。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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