【春季東京大会一次予選】中学は全国屈指の強豪・駿台学園が都大会へ! 中学時代、控えだった主将「強豪校へ行った同級生には負けられない」
得点が入り、歓喜する駿台学園ベンチ
<春季東京都高校野球1次予選:駿台学園7-3明法>◇23日◇代表決定戦◇国士舘グラウンド
駿台学園といえば、中学軟式野球界屈指の名門校として、有名な学校だ。
ヤクルト・清水昇投手を筆頭に、23年のセンバツで優勝投手になった林謙吾投手などが駿台学園中で3年間を過ごした。
そんな彼らは内部進学で高校に上がっておらず、他校へ進学して活躍している。
「駿台学園中で主力だった選手は、全国に行けば強豪校に声をかけてもらうので、そうすると、どうしてもそちらへ進学します。
『うちに来てくれたら』と思うこともありますけど、強豪校で頑張るのも1つの選択肢ですし、何よりうちに選んで来てくれる選手で頑張るのが一番だと思って戦っています」
チームを指揮する三角監督は、駿台学園中卒の選手たちの活躍を力に変えながらも、自分のところに集まった選手たちを鍛えて勝つことに集中していた。
たしかに23日の明法との代表決定戦、試合前のシートノックでも終始きびきびとした動きを見せるなど、チーム全体の集中した雰囲気は素晴らしいものがあった。
試合も初回、4対3で迎えた5回に3番・福原晴輝の一打などで3点を追加。ここぞという場面で集中力を発揮して、都大会の切符を掴んだ。
この試合、駿台学園中出身の3選手がスタメン出場。全員が中学時代控えだったが、今やチームの主力。6番に入った主将·片野壮一郎は3打数1安打1打点でチームの勝利に貢献している。
「走塁を生かして、相手投手と2対1、3対1の状況を作るのを意識していたので、実践できてよかった」と駿台学園らしい攻撃を展開できたことに片野主将は手応えを感じていた。
その片野主将だが、中学時代の同期は、仙台育英・湯浅桜翼。さらには中央学院・蔵並龍之介と甲子園出場を果たしたメンバーもいるという。
「最初は寂しいとか、『全員で進学すれば甲子園も近づくかも』とか考えることありましたけど、今は尊敬しています。
蔵並は中学時代、野手だったのに、いまはエースになってセンバツに出ている。相当努力したに違いないので、中学時代の仲間として素直に凄いし、負けられないと思っています」
チームは違えど、中学時代の仲間として、そしてライバルとして刺激をもらっている存在なのだ。
駿台学園は4月から都大会が待っている。「夏のシードを目指して、1つずつしっかりやりたい」と闘志を燃やしていた。
三角監督も少し笑みをこぼしながら、都大会での躍進を狙っていた。
「これで都大会に出られるので、1つでも多く勝ってシードが取れたらとは思います。そうすれば、中学生の見る目が変わるかもしれないので。結果を出せるように頑張ります」
都大会の初戦は都立府中工科が相手。躍進の春となるか。