Column

遂に適用される新基準バット 企画・開発担当者が込めた思い 「安心して使ってもらたい」

2024.03.19


バット企画・開発担当の須藤竜史氏

(この記事にはプロモーションを含みます。)

たった3ミリ、されど3ミリ

2022年に発表された新基準バットの導入。日本高等学校野球連盟から、全国の各校に2本ずつ支給されるなど、各地であらゆる動きがあったが、2024年のセンバツを皮切りに、完全移行される。
打球速度を落とし、選手たちの安全を守ることが目的とされ、バットの太さなど仕様が変わった。
<変更点>
・バットの最大径が67ミリから64ミリに細くなる
・打球部の金属自体の厚みがこれまでより1ミリほど厚くなる

変更点だけ見れば「たった3ミリ細くなっただけ」だと思うだろう。しかし、されど3ミリだ。現物を見れば「細くなった」と一目でわかる。特にグリップ寄りの根元の部分は、以前に比べてわかりやすく細くなった。

実際にバッティングをしても違いは感じる。
重さが変わらないので、素振りの段階では気づきにくい。でもいざボールを打つと、感触が違う。芯を外すと、さらに音が鈍く、打った時の感触も「重たいな」と思ったのが第一印象だ。

選手たちの安全のために採用された。この取り組み自体はもちろん大事なことだが、金属バットだから誤魔化していた部分が通じない。技術、体力どちらも持っている打者が求められる野球になると感じた。

現場から聞こえる新基準バットに対するあれこれ

ミズノから販売されている新基準バット

日本高等学校野球連盟をはじめとしたところから支給された新基準バットを使って、オフシーズン中に練習をしている選手たちに聞いても、出てくる意見はほぼ同じだった。

「芯を外してしまうと打球が飛ばない印象です。なので、これまでだったら頭を越えると思ったような打球も、外野フライになることがあります」(選手A)

「打球が弱くなったので、まだ手ごたえが掴みにくいですし、どれくらい飛んでいるのか。その感覚にもズレがある感じです」(選手B)

指導者たちも打球の違いについて話すところが多いが、同時に打球判断による走塁技術。さらには守備位置や打球処理といったところも、心配している声も聞こえてきた。

一方で、「元々、長打力のあったチームではないので、あまり影響はない」と今回の変更をネガティブに捉えず、むしろポジティブに考えて練習をしているチームもいるのが事実だ。

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この記事の執筆者: 田中 裕毅

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