News

人的補償で広島に移籍・日高 暖己は数年後に「2ケタ勝つ投手」になる! フォームは山本由伸、投球スタイルは森下暢仁!

2024.01.06


富島時代の日高 暖己

広島はFA宣言でオリックスに移籍した西川 龍馬外野手(敦賀気比)の人的補償選手として、高卒2年目右腕・日高 暖己投手(富島)の獲得を発表した。
日高は上半身、下半身の連動が取れたバランスの良いフォームから繰り出す回転の良い140キロ台の速球をコントロールよく投げる投球が持ち味。

183センチ74キロと華奢だが、手足が長く、真上から腕を振り下ろせるフォームなので、角度を感じる。オリックスに入ってからエース・山本 由伸投手(都城)の足上げなどを真似たため、「由伸二世」と評されている。

高校時代は当初、全国的には無名だったが、九州地区担当スカウトからは密かに高評価されていた。3年生の夏前からプロ注目右腕として取り上げられる存在になった。
3年夏はエースとして宮崎大会全5試合に先発し、特に決勝の宮崎西戦では最終回に147キロを連発し、完封勝利。獅子奮迅の働きをみせて、甲子園に導いた。
甲子園初戦では下関国際(山口)戦で先発したが、5失点を喫し、敗戦投手に。連戦の疲れからか、宮崎大会ほどの凄みはなかったが、それでも完成度の高い投球フォームはスカウトが惹かれる存在だった。

富島時代の日高暖己

22年のドラフトではオリックスから5位指名。将来のエース候補として、ルーキーイヤーは二軍で12試合20回を投げ、1勝1敗、防御率3.15と貴重な経験を積んだ。二軍の公式戦が終了してからは、フェニックスリーグ戦で4試合登板し、10回を投げ、1失点、防御率0.95の好成績をあげている。11月下旬から12月上旬に行われた台湾のウインターリーグにも参加し4試合に先発して、18回を投げ、14奪三振、防御率3.50だった。来季の飛躍が期待されていたが、今回の移籍となった。

ウインターリーグでの日高の投球を振り返ると、素材は素晴らしいが、スキルアップの時間は必要だと感じる。ストレートは常時140キロ前半から中盤程度で、130キロ前後のフォーク、スライダー、110キロ後半のカーブがある。制球を大きく乱すことはなく、ゲームメイク能力は高いが、まだNPBの一軍で通用するようなボールの強さはない。トレーニングでの平均球速のアップ、二軍のマウンドでの投球術のさらなるレベルアップが必要だろう。
オリックスは日高を3年目以降の一軍戦力として考えていたと思われる。広島はオリックスから日高の育成を引き継いだ、という見方もできる。

現在の広島の投手陣を見ると、大学卒が中心。日高は貴重な高卒投手となる。ストレートが150キロを超え、明らかにパワーアップした昨年のドラフト1位・斉藤 優汰投手(苫小牧中央)と並ぶ期待の若手と言えるだろう。

報道ではその投球フォームから「山本由伸二世」と呼ばれる日高だが、カープの若きエース・森下 暢仁投手(大分商・180センチ78キロ)に投手としてのタイプは似ている。日高同様、森下もプロの投手としては細身に入るが、150キロを超える速球を投げ込む。カーブ、スライダーなど1球1球の質も高い。無駄なく腕を振り下ろせる体の使い方は、日高のロールモデルになるだろう。

目指すは今年中に一軍デビュー。来年以降の一軍定着。ゆくゆくは先発として100イニング以上、10勝以上を日高には期待したい。

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.15

西東京大会は激戦ブロックが続出!昨夏甲子園出場の日大三は国士舘と同ブロック!【2024年夏の甲子園】

2024.06.15

東東京の横綱に上り詰めた帝京、関東一の軌跡~前田三夫と小倉全由、2人の名将~【東西東京大会50周年物語③】

2024.06.15

【福島】日大東北がサヨナラ勝ち、帝京安積はコールド勝ちで4強入り<春季支部選手権大会>

2024.06.15

今年の東京は「スラッガー大豊作世代」! 超進学校に現れた「プロ入り明言」の二刀流、木製で本塁打量産の早実のスラッガーなどが夏を盛り上げる【注目選手リスト】

2024.06.15

“超不人気”だった東京の高校野球を「3つの出来事」が変えた! 東京ローカルチーム・桜美林の全国制覇、都立高の甲子園出場、そして……【東西東京大会50周年物語②】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.06.11

【北海道】旭川支部の抽選会は12日!旭川実、旭川志峯など強豪の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得