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【現役ドラフト予想 セ・リーグ編】一軍で実績ある選手を多くリストアップ!日本一の阪神はあえて期待の若手大砲、右サイドを推薦

2023.12.07


井上 広大、遠藤 淳志

12月8日に2回目の現役ドラフトが開催される。昨年はソフトバンクから阪神に移籍した大竹 耕太郎投手(済々黌-早稲田大)が12勝2敗の大ブレイク。DeNAから中日に移籍した細川 成也外野手(明秀日立)が140試合で24本塁打を放った。開催を疑問視する声もあったが、初年度は概ね成功だったと言えるだろう。

現役ドラフトの対象になるのは、年俸5000万円以下のFA権を保有しない日本人の支配下選手。除外されるのは、以下に該当する選手だ。

・外国人選手
・複数年契約を結んでいる選手
・年俸5000万円以上の選手(1名に限り5000万円以上1億円未満も可)
・過去にFA権を行使したことのある選手
・FA有資格選手
・育成選手
・前年のシーズン終了以降に契約譲渡で獲得した選手
・シーズン終了後に育成から支配下になった選手

ただし、球団が5000万円以上1億円未満の選手を対象としてリストアップした場合、5000万円未満の選手を各球団最低2人リストアップしなければならない。
以上の条件を踏まえて、今年、現役ドラフトの候補選手たちを予想してみた。今回はセ・リーグだ(各選手の年俸額は推定。* は甲子園出場経験者)。

【中日】
石垣 雅海外野手(酒田南)7年目
年俸950万円 22試合 打率.087 23打数2安打
若手時代から期待のスラッガーとして注目され、2020年は二軍で打率.372、5本塁打、21打点。今季も二軍で打率.284、4本塁打、26打点だが、一軍では打率.087と結果を残せなかった。このオフ、中日は巨人・中田 翔内野手(大阪桐蔭)を獲得。他球団に移籍して、出場機会を見出したい。

三好 大倫外野手(三本松-JFE西日本)3年目
年俸860万円 打率.154 30試合 13打数2安打
このオフ、中日はソフトバンクで実績のある上林 誠知外野手(仙台育英)を獲得した。そのため外野手が1人溢れる形になる。上林と同じ左打ちの三好がリストアップされそう。今季は30試合にとどまったが、昨季は45試合で6盗塁をマークしている。

【ヤクルト】
梅野 雄吾投手(九産大九産)8年目
年俸3500万円 5試合 防御率3.38
ヤクルトのブルペンスタッフとして、2018年から5年連続で29試合登板以上を達成したが、今季は5試合登板に終わった。状態が良ければまだまだ活躍できる見込みはある。

太田 賢吾内野手(川越工-日本ハム)9年目
年俸1600万円 20試合 41打数8安打 1打点
日本ハム、ヤクルトでユーティリティプレイヤーとして活躍。内外野を守れて、2019年には90試合出場経験もある。

【巨人】
高橋 優貴投手(東海大菅生-八戸学院大)5年目
年俸2300万円 6試合 0勝1敗 防御率5.14
プロ1年目の19年には5勝、21年には27試合登板で11勝をマーク。先発左腕としての能力は申し分ないが、今季は6試合登板にとどまった。ただ、二軍では17試合登板、防御率2.34、11先発で、6勝2敗をマークしている。プレッシャーが巨人ほどかからない球団ならば、実力を発揮するかもしれない。

松原 聖弥外野手(仙台育英-明星大)7年目
年俸2500万円 21試合 打率.000 12打数0安打
21年には135試合、12本塁打、15盗塁。打てて走れる中距離打者になったが、その後、大活躍につながらず、今シーズンは21試合出場にとどまっている。

【DeNA】
*神里 和毅外野手(糸満-中央大-日本生命)6年目
年俸3800万円 64試合 打率.163 49打数8安打 3打点
2019年には123試合出場して119安打、6本塁打、35打点を記録した左の巧打者。今年は悔しいシーズンになったが、左打ちの外野手を求める球団ならばピタリとハマる選手だ。

知野 直人内野手(第一学院高-新潟アルビレックス)5年目
年俸1100万円 39試合 打率.167 30打数5安打 2本塁打5打点
着実に実力をつけて、一軍では通算3本塁打を記録。長打力もあり、ポテンシャルの高さは光るものがある。今年は野手中心のドラフト。知野を活かすには、他球団移籍と考えた。

【広島】
*高橋 昂也投手(花咲徳栄)7年目
年俸800万円 一軍登板なし
2021年には、15先発して、5勝しているが、ここ2年、一軍登板は遠ざかっている。「ラストチャンス枠」として、リストアップされるのではないか。

*林 晃汰内野手(智辯和歌山)5年目
年俸1150万円 打率.207 20試合 58打数12安打 1本塁打5打点
中日に移籍した細川 成也外野手のようなブレイクを期待したい選手としてあえてリストアップした。2021年には10本塁打を記録しているが、2022年は一軍出場なし。2023年は20試合で1本塁打に終わった。ファームでは87試合で10本塁打を打っているようにパワーは素晴らしいものがある。

遠藤 淳志投手(霞ヶ浦)6年目
年俸2500万円 8試合 防御率4.39 1勝5敗
20年は5勝、107イニング、22年は5勝、105.1回を投げた経験がある。今年はわずか8試合登板に終わった。広島はドラフト1位で常廣 羽也斗投手(大分舞鶴-青山学院大)の交渉権獲得に成功。また昨年ドラフト1位の斉藤 優汰投手(苫小牧中央)も伸び盛りで、一軍起用も考えられ、遠藤は厳しい立場。先発が足りない球団にとっては魅力的な投手だ。

【阪神】
岡留 英貴投手(沖縄尚学-亜細亜大)2年目
年俸840万円 8試合 防御率1.29 1勝0敗
投手が揃っている阪神。今回はあえて二軍成績が良い岡留とした。理由としては今回のドラフトで、1位の下村 海翔投手(九州国際大付-青山学院大)、2位の椎葉 剛投手(島原中央-ミキハウス-徳島インディゴソックス)と育成含めて5人の右投手を指名して、右投手が溢れ出ている状況になっている。
今年、岡留は一軍では8試合で、防御率1.29、二軍では31試合に登板し、防御率1.31の好成績を残した。右サイドから投じる140キロ後半の速球、スライダー、ツーシームといずれも精度が高い。勿体ないという声もあるかもしれないが、伸び盛りの時に他球団に移籍し、ブレイクするサクセスルートもあっていいと考える。

*豊田 寛外野手(東海大相模-国際武道大-日立製作所)
年俸750万円 一軍出場なし
今年は高校の後輩である森下 翔太外野手が、1年目で10本塁打。また支配下登録となった野口 恭佑外野手(創成館-九州産業大)について岡田監督が絶賛。一軍出場なしだった豊田の序列は下がっていることを考えると、リストアップする可能性は大いに有り得る。

*井上 広大外野手(履正社)4年目
年俸840万円 13試合 打率.229 35打数8安打 7打点
第2の細川 成也として、大ブレイクしてほしい思いであえて選んだ。阪神ファンからは否定する声をもらうかもしれないが、10本塁打の森下は長打力だけではなく、走塁も良いので、レギュラーの座は硬い。また支配下登録となった野口の評判も良い。井上は1年目からファームで9本塁打を放ち、今季も二軍で94試合で11本塁打を記録している。一軍では自己最多の13試合に出場したが、阪神の試合やこれまでの報道を見ると、序列が上がっている感じはしない。2019年夏の甲子園で3本塁打を現地で見たものからすれば、どの球団でもいいのでブレイクしてほしい思いがある。現役ドラフトはチャンスだと考えている。

現役ドラフト予想  パ・リーグ編はこちら

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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