試合レポート

3回戦 向陽 vs 新宮

2023.07.23


新宮が18年ぶりの8強進出!再登板の河村が好投を見せる

<第105回全国高校野球選手権和歌山大会:新宮9-5向陽>◇22日◇3回戦◇紀三井寺公園

春8強の新宮向陽を下して18年ぶりの夏8強入りを果たした。

新宮は2回、1死一塁から8番・泉 翔馬捕手(3年)の中越え適時二塁打で1点を先制。さらに2死三塁から1番・東 幸音外野手(3年)の左前適時打を皮切りに4連打が飛び出し、この回に5点を奪った。

エースの齋藤 智生投手(3年)が打ち込まれた向陽は、3回から背番号11の阪上 晴音投手(3年)に継投。しかし、3者連続四球と制球が定まらず、1死も取れずに降板となった。3番手としてマウンドに上がった右横手投げの背番号10・山田 啓太投手(3年)は押し出し四球で1点を許したが、後続を断ち切り、この回を最少失点で切り抜ける。

すると向陽はその裏、1死二塁から1番・堀端 大貴外野手(3年)がライトに適時二塁打を放ち、1点を返して反撃ムードが漂う。

新宮は4回、先発の河村 楽伯投手(3年)をライトに回して背番号10の左腕・丸石 由大投手(3年)をマウンドに送る。「できれば継投でいきたい。ちょっとでも余裕のある中で投げさせてあげたかった」と畠敏紘監督は考えていたが、プラン通りにはいかなかった。

7番・山田と8番・立尾 蓮内野手(2年)に適時打を浴びると、失策もあり、この回4失点。5回から再び河村をマウンドに戻さざるを得なかった。

厳しい場面での再登板となった河村だが、「流れが悪かったので、それを食い止めようと思って投げました」と130キロ台前半の直球で押し込み、向陽に得点を与えない。

新宮打線は山田の緩急を使った投球に手こずっていたが、7回に2死満塁のチャンスを作ると、途中出場の2番・坂地 壮外野手(2年)が左中間を破る走者一掃の3点適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。

このリードを河村がしっかりと守りきり、9対5で新宮が勝利。春に続いてベスト8に名乗りを上げた。「勝ち上がっていけるチームと期待されていたので、ベスト8に入ることができて安心しています」と笑顔を見せた主将の平井 志到内野手(3年)。スタメン全員を占める3年生を中心に力のあるところを見せつけた。

躍進の立役者になっているのがエースの河村。元々は県外の強豪校に進学していたが、1年秋に転校して地元の新宮に戻ってきた。南紀ボーイズでチームメートだった平井は「帰ってきてくれて嬉しかったです」と河村の加入を歓迎。公式戦出場が解禁となる3年春に向けて練習を積み、その成果を今年になって発揮している。

3年生の戦力が充実している一方、1、2年生の選手が8人しかおらず、先行きが不安視されている。「ここでやりたいと思ってもらえたら凄くありがたいですね」と畠監督。今大会の躍進を来年の新入部員増加のきっかけとしたいところだ。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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