どちらも全国上位レベル!千葉決勝の専大松戸vs習志野の魅力を徹底紹介
第105回全国高校野球選手権千葉大会は27日、決勝戦が行われる。
決勝戦は習志野vs専大松戸と2015年以来、8年ぶりの顔合わせとなった。
実力的にはどちらも甲子園上位を狙えるチームだが、チームカラーは違う。専大松戸はポテンシャル、粘り強さで勝負するチームで、習志野は野球の本質を理解し、きめ細かい試合運びと甲子園でも上位レベルに入る守備、走塁で相手の持ち味を消す上手さがある。
専大松戸は甲子園に出れば、スポーツ紙の評価で「Aクラス」と評価されるほど選手のポテンシャルは高い。世代屈指の151キロ右腕・平野 大地投手を中心に投手陣はゲームメーク能力が高い。一方、打者は吉田 慶剛捕手(3年)、中山 凱内野手(2年)のようなスラッガータイプの選手もいれば、宮尾 日向内野手(3年)のような左の好打者など打線もタレント揃いだ。能力は高いチームだが、春、夏と苦しい試合を制した粘り強さがあり、勝ち方を知っている。準決勝では投手に反省点が残ったが、中1日で解消することができれば、優位に試合を進める可能性がある。逆にそれができないと習志野に大差をつけられる可能性も否めない。
一方、習志野は玄人受けする試合運びの上手さが光る。この夏にかけてニューヒーローとしてでてきたのが左腕の湯浅 夏樹投手(3年)。120キロ前半の直球にスライダー、チェンジアップ、カーブを駆使する。ベンチ入りしている投手の中では最も球速が遅いが、一番リズムがよく、制球力も高く、メンタルの起伏が一番小さいので、一番安心して見ていられる。高校野球はリズムが良く、試合を作れる投手ほど、打線や守備のリズムが良くなる。他の投手も悪くないが、強豪校が相手なら湯浅が投げれば、戦い方が落ち着くため、習志野は自分たちの土俵で野球ができる。ただ、湯浅以外の投手なら、専大松戸のしつこい攻撃に持ちこたえることができるか。今まで専大松戸が打ち崩してきた投手と比べると隙が多いのが懸念材料だ。
また守備陣は好遊撃手の藤崎 凌太郎内野手(3年)を中心にハイレベル。内野手のフットワークの軽快さ、チャージの速さ、送球の正確性、外野手の判断力の高さなど技術の高さ、スピード感は全国でも上位。簡単に点を奪うことはできない。打線はどの選手も振りが鋭い。特に2年生スラッガー・根立 陸斗外野手は来年、騒がれる可能性を持った逸材だ。戦力的には「Bクラス」と評されるかもしれないが、「Aクラス」を破ってもおかしくないほどの力を持ったチームだといえる。
全国レベルのチーム同士の対戦なので、ハイレベルな戦いは期待できるはず。楽しみな決勝戦になりそうだ。