大森学園vs都立大崎
大森学園が隙のない積極野球を示して5回コールドで都立大崎を下す
大森学園2番・木倉悌
<秋季高校野球東京都大会:大森学園21-0都立大崎(5回コールド)>◇9日◇1回戦◇駒沢野球場
秋季東京都高校野球大会2日目、駒沢球場の第二試合では隙のない走塁が持ち味の大森学園とわずか15人のベンチメンバーに10人の1年生が並ぶ都立大崎が顔を合わせ、大森学園が21対0の5回コールドで投打に圧倒した。
初回、大森学園は1番木下蘭亜がいきなりセンター前へコンパクトな打撃で出塁すると、すかさず初球から盗塁に成功。2球目に相手投手・平塚博喜が投じたボールがこぼれると3塁へ一気に進んだ。2番の主将・木倉悌がレフト前にタイムリー安打を放ち、持ち味の総力を存分に生かした攻撃を見せた。後も続き、初回に4点を挙げ試合の主導権を握る。
続く2回も大森学園の猛攻は止まない。2番木倉の2打席連続タイムリー安打や4番籾山寛大の左中間タイムリー二塁打などが飛び出し、一挙7点を入れ大量リードに成功する。
先発は1年生・冨谷拓海。石黒監督は冨谷の先発起用について「思い切りのよい投手。堅くなりがちな初戦に若い力で勢いをつけたかった」と説明し、3回まではランナーを許しながらも無失点に抑え、ストライク先行の投球で4回には三者凡退と監督の起用に応えた。
5回には、昨年の秋季東京都大会にも出場した2年生エースの湯川翔太がマウンドに上がり、2奪三振を含む三者凡退でピシャリと都立大崎打線を封じた。
終わってみれば、21得点・13盗塁と途切れの無い打線と隙のない走塁で都立大崎を圧倒した。
試合後、石黒監督は「フライアウトも少なく逆方向のバッティングと常に次の塁を狙う姿勢が見られた。残塁を少なくすることが課題であったが、打線も繋がり投手陣も0点で抑えきれたことは良かった」と評価した。主将の木倉も「ティーバッティングから逆方向に打つ練習をしている」と語るなど、徹底したチーム方針が感じ取られた。主将として挑む今大会について、「前主将の島田颯大がチームから信頼される素晴らしいキャプテンだった。自分も時には厳しくメリハリをもってチームを率いたい」と次戦の佼成学園戦に向けて強く意気込んだ。
(記事=加藤 達樹)