八重山農林vs首里
島の子たちが都会の古豪に見事な勝利
八重山農・前津
<第49回沖縄県高校野球新人中央大会:八重山農林4-3首里>◇13日◇1回戦◇Agreスタジアム北谷
グラウンドの守りにつくときもダッシュするわけでもなく、ベンチから声を張り上げるわけでもない。のんびりした島で、エンジョイベースボールとマイペースで八重山代表になった八重山農林ナイン。那覇北1位の首里の追い上げにびくともせず見事勝利を収めた。
攻守で首里を上回った八重山農林が23年ぶりの大会勝利
初回、八重山農林は2死から3番上地凛汰が三塁打を放つと、4番多宇恭輔が期待に応える適時打で先制。その後、中盤までは八重山農林・前津真己斗、首里・照喜名倖の投げ合いで両軍ゼロが続いた。
試合を動かしたのは八重山農林。6回、相手投手が制球を乱してチャンスを作る。2つの四球で一、二塁として4番多宇恭輔が逆らわず右翼へ放ち1点を追加。その後、首里の野手陣に手痛いミスが出て、八重山農林がこのイニング一挙3点を加えた。その裏から八重山農林ベンチは2番手に多宇恭輔を送るが、首里は2死から8番高江洲晴輝、9番照喜名倖に連打が生まれる。ここで首里ベンチは福永和慶を代打に送ると、福永は期待に応え左前への適時打。さらに7回、四球から盗塁、そして4番宮城一誠の右前適時打で1点差に詰め寄ったが、ここで八重山農林が再びエース前津真己斗をマウンドへ。6番金城敦也に犠牲フライを許し3点目を失った前津だったが、その後は落ち着き払ったマウンド捌きで、首里打線を抑えてゲームセットとなった。
新人中央大会では平成11年第26回大会以来、実に23年ぶりとなる2度目のベスト8へと八重山農林が進出した。
(文=當山 雅通)