試合レポート

津商vs松阪商

2022.07.16

初回をよく守った津商、2回に打者17人13点奪い大勝で松阪商下し決勝進出

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津商・古田宏紀君

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<第104回全国高校野球選手権三重大会:津商14-0松阪商>◇25日◇準決勝◇[stadium]四日市市営霞ケ浦[/stadium]

 春季県大会で優勝して、県王者として昨秋に続いて東海大会にも進出した津商。今大会も第1シード校として優勝候補という下馬評通りの力を示して準決勝まで進出してきた。対する松阪商はノーシード校ながら、松阪や三重海星といった有力校を下しての進出で、63年ぶりの夏の甲子園を目指しての戦いとなった。

 津商はエース番号を背負う左腕の古田、松阪商は背番号9で打っても1番打者という、まるでエンゼルスの大谷 翔平みたいな米満が先発マウンドに立った。

 初回、松阪商は先頭の米満が中前打して好リードオフマンぶりを見せる。バントで進み、3番中出も内野安打で一、三塁。松阪商は絶好の先制機だったが、ここを津商の古田が上手く打たせて併殺で抑える。結果論ではあるが、ここでもし松阪商の青木の打球が抜けていたとしたら、松阪商が先制してまったく違った展開になっていたかもしれない。

 いきなりのピンチを逃れた津商。2回も1死で安打されて、いくらか押されているという展開だった。ところが、その裏、まったく予想だにしない展開になっていってしまった。

 津商は4番瀬尾がチーム初安打すると、そこからエンドランを仕掛けるなどして、安打が5本連なり3点が入る。なおも犠飛と四球、失策が続き、1死満塁で再び瀬尾。今度は走者一掃の右越え二塁打。さらに死球後も樋口の左前打、古田の一、二塁間を破る安打などで続き、1番牧戸も2点適時打を放つなどして、この回だけで打者17人、13点を奪う猛攻だった。

 何とか防戦したい松阪商だったが、米満から左腕八木、前川、下手投の服部と繋いだが防ぎ切れなかった。津商は4回にも宮本の左前打で1点を追加して計14点となる。

 それでも、松阪商は最後まで全力を尽くした。大量リードされた4回裏の守りは、服部が下手からの球を巧みに駆使して三者凡退として意地を見せた。

 津商の宮本 健太朗監督は、「初回のピンチをうまく守れて、これで流れに乗れた。2回は、バントも考えたのだけれども、ここは仕掛けていった方がいいとエンドランにしたけど、それに選手がよく応えてくれた。そういう練習はしてきたという思いもあったけれども、そこから意気に流れに乗ることができた」と、初回の守りからリズムを作って、攻撃を仕掛けたことがよかったということを語っていた。また、古田に関しては、「彼らしくよく投げてくれた。期待通りの内容だったと思う」と評価していた。

 思わぬ大敗となってしまった松阪商の北村 祐斗監督は、「初回のチャンスは、じっくり攻めて1点を取りに行くべきだったかもしれない」と少し悔いていた。それでも、「選手たちが頑張って、ベスト4まで連れてきてくれて感謝している」とねぎらっていた。たまたま、大差でコールドゲームになってしまったけれども、スコアほどの力の差はない。一つの流れに乗れたか、乗り損なったか、そこが分かれ目となってしまった。

 近年の高校野球は、全国的に私学勢が圧倒的に上位に残るケースが多くなっている。そんな中で三重県ではこの両校を含め、菰野と3校がベスト4に残った。春も公立勢が3校ベスト4に残っており、公立が健闘している県の一つと言ってもいいであろう。

 決勝進出を果たした津商は、7年ぶり2回目の甲子園出場を目指すことになった。

(取材=手束 仁)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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