試合レポート

銚子商vs青藍泰斗

2022.05.21

銚子商が16年ぶりの初戦突破 伝統背負う主将が3安打でチームを牽引

銚子商vs青藍泰斗 | 高校野球ドットコム
銚子商3番・久保形 怜司

<春季関東地区高校野球大会:銚子商4-3青藍泰斗>◇21日◇1回戦◇宇都宮清原

 千葉2位として12年ぶりに関東大会に出場した銚子商は、開幕戦で地元・栃木3位校の青藍泰斗を接戦の末、4対3で下した。初戦突破は16年ぶりになったが、主将にして3番打者に座る久保形怜司(3年)の活躍が大きかった。

 青藍泰斗戦で4打数2安打。千葉県大会でも活躍が目立っており、指揮官・澤田監督も活躍ぶりには納得をしていたが、「本人は調子を落としていると言っていました」と自身の打撃には納得ができていなかったそうだ。

 久保形本人も「打ち損じが多かった」と満足はしていなかった。千葉県大会が終わってから2週間近くは打撃の見直しをして、この大会に臨んでいた。保護者会がチームのために購入したiPadを活用して、打撃練習を撮影した映像で、フォームを確認した。

 「トップから打ちに行く際に、バットが真下に落ちてしまい、ピッチャー方向へ素直に動かせていなかったんです。おそらく力が入ってしまっていたことが原因だと思うので、『力を抜いて、打撃練習では低く強く打とう』と意識を変えることを心掛けて調整していきました」

 この日の打席でも最短距離で素直にバットが出ていた。チームメートが県大会で結果を出していることに焦りを感じて力みが生まれていたというが、この日の活躍ぶりで不安は解消されたに違いない。

 打席での球の待ち方にも特徴がある。本人も意識して早めにタイミングを取って呼び込むようにしているというが、ゆとりが生まれていた。

 ただ、「まだ打ち損じがあるので、安定してヒットが出せるようにしたいです」と自分に対する評価は辛口。裏を返せば、その責任感があるからこそ主将を任されているのだろう。

 銚子商は、先制されて迎えた3回に相手の守備の乱れもあり同点。さらに4回には8番・飯島聖矢投手(3年)の一打で勝ち越しに成功する。

 5回、6回と得点を積み重ねると、先発したエース・飯島は初回こそ失点はしたが、「カットボールだけだと的を絞られるので使いました」と持ち球の1つである110キロ台のチェンジアップを多投。本来とは少し変わった緩急を使った投球スタイルで相手打者から凡打の山を築いた。

 7回、そして9回に1本ずつホームランこそ許したが、同点までは許さずに、銚子商青藍泰斗を下して初戦突破を決めた。

(記事:田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【岩手】花巻東、水沢商、盛岡誠桜、高田が8強入りして夏シードを獲得<春季大会>

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?