東海大相模、横浜が敗れる波乱となった春の神奈川県大会。準決勝2試合を徹底展望!
山口凱矢(桐蔭学園)、木島直哉(藤沢清流)、針谷隼和(桐光学園)、長野圭汰(横浜商)
トーナメント表
・東海大相模、桐蔭学園などが属するブロック
・横浜、桐光学園などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
リーグ戦の勝ち上がり
・慶應義塾、桐蔭学園などが属する川崎・横浜北地区
・横浜、横浜商などが属する横浜南・横須賀地区
・相洋、鎌倉学園などが属する湘南・西湘地区
・東海大相模、向上などが属する北相地区
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4月30日より春季神奈川県大会は準決勝2試合が開催される。舞台は[stadium]横浜スタジアム[/stadium]に移り、勝った学校が栃木県で実施される関東大会への出場権をつかむことになる。
神奈川県大会は準々決勝で東海大相模、横浜の2校が揃って敗退。長く神奈川の高校野球をけん引している2強が揃って春季関東大会を逃したのは9年ぶりの波乱となっているが、ここまで大会を勝ち抜いている4校と準決勝の対戦カードをおさらいしたい。
藤沢清流vs桐蔭学園
山口凱矢(桐蔭学園)、木島直哉(藤沢清流)
準決勝では、東海大相模を打ち破って4強入りを果たした桐蔭学園。ここまでは慶應義塾や横浜創学館など県内のライバルから勝利をつかんでおり、大会を通じて多くの経験を積んできた。
旧チームから主力投手として活躍してきたエース・山口 凱矢投手(3年)は、東海大相模戦では立ち上がりこそ、制球に不安を感じさせたが、中盤から立ち直って、スライダーを軸に打たせて取る投球で東海大相模打線を封じた。
下半身をしっかりと使って横回転の投球フォームから、曲がりの大きいカーブやスライダーを織り交ぜた技巧派右腕には「もっとできるだろう」と片桐監督の期待は大きい。この期待に応える投球ができれば、決勝進出に近づくだろう。
打線ではボーイズ代表を経験した主将・相澤 白虎内野手(3年)や、主軸を担う小林 啓剛外野手(3年)に加えて、バットコントロールに長けた佐藤 陽向内野手(3年)らを中心に、「冬場から意識してきた」という繋ぎの攻撃で着実に点数を積み重ね、得意の足技を絡めていきたい。
迎え撃つのが初の4強入りと波に乗る藤沢清流。中心であり、カギを握りそうなのがエース・木島 直哉投手(3年)だろう。
185センチ88キロと恵まれた体格から迫力を感じさせつつ、気持ちをぶつけるようにインコースを積極的に突きながら、変化球はスプリットやツーシームなどの小さく動く球を操る。
準々決勝・立花学園戦ではインコースの球で詰まらせるなど、打たせて取る投球で9回奪三振3ながら、自責点1の好投で試合を作った。相手の強豪・桐蔭学園は足を使ってくる可能性が高いだけに、走者に神経をとがらせながらもどこまで自分の投球ができるかを求められる。
木島は3番に座るなど、打っても光るものがあるが、負担を減らす意味でも、立花学園戦では4番に座った竹内 領汰外野手(3年)らで援護したいところだ。
両チームのエースともに打たせて取る投球が光る投手だけに、まずは守りからリズムを作れるかがポイントになる。[stadium]横浜スタジアム[/stadium]の人工芝にアジャストできるかも勝敗を分ける。
[page_break:横浜商vs桐光学園]横浜商vs桐光学園
針谷隼和(桐光学園)、長野圭汰(横浜商)
2試合目には、横浜に競り勝った桐光学園が登場する。投打ともに力のある選手が揃い、戦力は揃っている。
エース・針谷 隼和投手(3年)は、最速143キロを計測する速球派右腕だが、横浜との一戦では9回で奪三振7、自責点1と安定感が光る投球を見せた。
大会期間中に「フォームが固まってきた」と野呂監督も話す針谷は、軸足にしっかりと重心を乗せたところから、ギリギリまで開きを抑えて右腕を振り切る。見どころが見えにくくなっており、球速以上に直球が来ている印象を受けた。
準決勝でも同じように好投を見せられるか楽しみである。
針谷のみならず、桐光学園は野手も逸材が揃う。
針谷とバッテリーを組む石井 嘉朗捕手(3年)は、すくい上げるような打撃が持ち味で、準々決勝・横浜高との試合では、2年生エース・杉山 遙希投手からホームランを放つなど、存在感は際立った。
さらに堅守巧打が光る米山 幸汰内野手(3年)や経験値豊かな篁 哲郎内野手(3年)、さらに1年生・中村 優太内野手などタレントが揃っている。
伝統校のY校こと、横浜商は準々決勝で不戦勝だったことで、17日の4回戦からしっかり調整することができた。
旧チームからの経験者である長野 圭汰内野手(3年)や、川又 隆之介投手(2年)などが揃う。
タレント揃う強豪と伝統校の一戦だけに、まずは先取点を取って試合のペースを握れるか。
勝てば関東大会が決まる準決勝。勝ち上がる2校はどこになるのか。
(文=田中 裕毅)