聖光学院vs二松学舎大附
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
立ち上がり苦しんだ二松学舎大付・布施 流れ作れず「自滅した感じ」
聖光学院・佐山未來
<第94回選抜高校野球:聖光学院9-3二松学舎大付>◇20日◇1回戦◇甲子園
「立ち上がりから、相手投手のボールが荒れていたことが予想外でした。コントロールが良い投手と覚悟して臨ましたが、待球の指示が多くなり、四球やエラーで流れを作れたのはうちとしてはラッキーだったと思います」
試合後の、聖光学院の斎藤智也監督の言葉がすべてを物語っていた。
大会2日目第3試合も1回戦指折りの好カードとなったが、二松学舎大付の先発・布施東海投手(3年)が立ち上がりから不安定な投球が目立った。四死球でランナーを溜め、甘く入ったボールを痛打される悪循環でいきなり3点を失い、その後も制球が安定しないシーンが目につく。5回には四球やエラーなどで満塁となり、連打を浴びて追加点を奪われる。7点目を取られたところで、二番手の辻大雅投手(3年)へと交代となった。
試合はその後、二松学舎大付も地道な攻撃で追い上げを見せるが、大量のリードを覆すことはできず9対3でゲームセット。聖光学院が2回戦進出を決めた。
二松学舎大付の市原勝人監督も試合後、「布施は、精神的なところが合わなかった。ストライクとボールがはっきりしていて、すごく打たれたかというより打たれた気はしない。自滅した感じに見えます。上手くストライク先行できればもっと楽に投球できたが、逆に相手に打ちやすい状況を作ってしまった」と敗因に布施の不調を挙げる。二松学舎大付にとっては、持ち味を発揮できないまま聖地を去ることになった。
一方の聖光学院は、相手が力を出し切れないところにつけ込んだとは言え、右打者はベースギリギリのところに立ち続け、また待球の支持も徹底されており、試合巧者ぶりが目立った。斎藤監督は「(調整は)全くですね。練習試合は10試合をやりましたが、3月5日に久しぶりに土のグランドを踏んだ」と調整には苦労していることを吐露したが、3失点完投の投球を見せたエース・佐山未來投手(3年)の出来も含めて、収穫は多かったのではないだろうか。
(記事:栗崎 祐太朗)