神宮大会無安打から2安打&強肩を披露 中四国大学No.1捕手の実力を発揮した石伊 雄太(近大工学部)
石伊 雄太(近大工学部3年・捕手)
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2021年12月3日(金)~5日(日)に愛媛県松山市の[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]で行われた「侍ジャパン大学代表候補合宿」。2022年7月に参加が予定されている「ハーレムベースボールウィーク」(オランダ)メンバー入りへ向けて44選手が自らの長所をアピールした。
残念ながら一般非公開で行われた選手のうち、誰が光を放ったのか?2022年大卒ドラフトの目玉である「二刀流」、日本体育大・矢澤 宏太投手兼外野手(3年=町田リトルシニア‐藤嶺藤沢)を筆頭に合宿レポートで触れた選手の他にも好選手が数多くいた。
2021年の東京五輪金メダリスト右腕、日本ハム・伊藤大海投手(駒大苫小牧出身)ら、侍ジャパン大学代表候補合宿からプロに羽ばたいた選手たちも取材しているライター寺下友徳が2名をピックアップ。前編では近大工学部3年の強肩捕手・石伊 雄太(いしい・ゆうた)を紹介していく。
明治神宮大会での「3三振」「完封負け」を糧に
石伊 雄太(近大工学部3年・捕手)
「ストレートに手が出なかったのは力不足。リード面でもエラーが絡んだところで投手をリードできなかった。初回のスクイズも頭に入っていたんですが、うまくいかなかったです」
明治神宮大会1回戦は0対5で佛教大に完封負けを喫した。自身も3三振と木村 光投手(3年=奈良大附)に手も足も出なかった。広島六大学リーグのみならず、中四国大学ナンバー1捕手の呼び声が高かった近大工学部・石伊の落胆は、オンライン会見越しでも手に取るように伝わってきた。
自身初全国大会からのリバウンドメンタリティの部分でも注目された石伊の今合宿におけるパフォーマンス。結果から言えば高く評価できるものだったといえよう。
昨年まではJR西日本監督としてオリックスの「ラオウ」こと杉本 裕太郎外野手(徳島商出身)や、ソフトバンク佐藤 直樹外野手(報徳学園出身)らを育て、今年から近大工学部の指揮を執る花本 輝雄監督は、石伊について「もともと、いいものを持っている」と話す。二塁送球は一日目のシートノックから1秒9を悠々と切るタイムを計測。リード面でも「投手の良いところを引き出すリードをしたい」という意気込み通り、タイプの異なる侍ジャパン大学代表候補投手陣を懸命にリードしていた。
「選球眼を意識した」という打撃でも、紅白戦通算6打数2安打と奮闘した。その2安打も明治神宮大会で苦杯をなめた木村からの右前安打と、仙台大・川和田 悠太投手(2年=八千代松陰)からの右越え三塁打と、いずれも逆方向に逆らわず放った。秋のリーグ戦では、47打数18安打2本塁打12打点で文句なしの最優秀選手賞とベストナイン捕手部門を獲得した根拠を示した。明治神宮大会でNPBスカウト陣が抱いた懸念も一掃されたのではないだろうか。
当然、2022年春も注目を集める存在となる石伊 雄太。2季連続のリーグ優勝に加え、秋は果たせなかった全国大会勝利に、侍ジャパン大学代表入りを実現させることができれば……。「自分の能力が上がれば考えたいと思っている」という大卒プロ入りは、おのずから到達点になるはずだ。
(記事:寺下 友徳)
<プロフィール>
石伊雄太(いしい・ゆうた)近大工学部3年・捕手
178センチ80キロ 右投右打 伊勢ボーイズ~近大高専(三重)