Column

ほぼ全員が新チームから5キロ前後増量。関東屈指の強力打線・明秀日立ナインが語ったウエイトトレーニングの効果

2021.11.06

 2017年以来の関東大会ベスト4入りを決めた明秀日立。今年は初戦となった準々決勝でも16安打11得点を記録した強力打線が持ち味だ。その原点は「ウエイトトレーニング」である。なぜ強力打線に至ったのか、そんな背景をお伝えしたい。

「ガタイが凄い」選手ばかり

ほぼ全員が新チームから5キロ前後増量。関東屈指の強力打線・明秀日立ナインが語ったウエイトトレーニングの効果 | 高校野球ドットコム
石川、猪俣、小久保、佐藤、武田

 10月19日、[stadium]ひたちなか市民球場[/stadium]で茨城県大会準々決勝の取材をした時、第1試合の土浦日大vs霞ヶ浦の試合後の取材を終えて、明秀日立の選手たちがチーム用のリュックサックを抱えて球場に入る姿を見かけたのだが、筋肉隆々の体型をした選手ばかりだった。彼らを見て「ガタイが凄い」と準々決勝を終えるまで10回以上は呟いたと思う。

 レギュラー選手のスペックは以下の通り。
1番レフト 本坊 匠(2年) 右投げ左打ち 175センチ78キロ
2番ショート 平野 太智(1年) 右投げ右打ち 168センチ65キロ
3番ライト 石川 ケニー (2年) 左投げ左打ち 176センチ75キロ
4番ファースト 武田 一渓 (2年) 右投げ右打ち 171センチ85キロ
5番ピッチャー 猪俣 駿太  (2年) 右投げ左打ち 183センチ83キロ
6番センター 佐藤 光成(2年) 右投げ右打ち 180センチ74キロ
7番サード 小久保 快栄(2年) 右投げ右打ち 188センチ79キロ
8番セカンド 辻 天成(2年) 右投げ右打ち 173センチ68キロ
9番キャッチャー 伊藤 和也(2年) 右投げ右打ち 175センチ63キロ

 180センチ以上は猪俣、佐藤、小久保の3人。特に猪俣の体型はドラフト候補。小久保はソフトバンク小久保 裕紀二軍監督の甥っ子。伯父に負けない体格をした選手だ。石川 ケニーは176センチ75キロというサイズ以上にガッシリした体型で、特に胸板が素晴らしい。武田もまさにスラッガーにふさわしい、ずんぐりな体型だ。

 今では高校野球部も年間を通してウエイトトレーニングを行うようになったが、今年の選手たちは新チームがスタートしてから4〜5キロ前後は体重が増加したという。そのきっかけは金沢監督から叱責されたことが大きい。

[page_break:主力選手たちが実感するウエイトトレーニングの効果]

主力選手たちが実感するウエイトトレーニングの効果

 佐藤はこのように振り返る。
「新チームがスタートした時、金沢監督から『お前らはウエイトトレーニングの取り組みが甘い』と叱られまして、そこからみんなで話し合って、ウエイトトレーニングや食事の取り組みを改めました」

 明秀日立は1日お米を最低1キロ食べるのがルールとなっている。佐藤は一キロ食べた後、補食でより食べて、さらにトレーニングも1つずつ動作を意識して行うようになった。すると5キロ増量に成功し、飛距離もアップ。茨城県大会・関東大会で計3本塁打を打つまでに成長した。

 また猪俣もウエイトトレーニングで伸びた選手だ。猪俣も5キロほど増量に成功。変わってきたのは球速で、最速142キロまでレベルアップ。筋力が増えたことでスタミナアップも実感している。
「自分は試合展開で力の入れ加減を行っているのですが、前提となる体力、筋力がなければそれもできないので、しっかりとウエイトトレーニングをやったことで1試合投げきることができるようになったと思います」

 小久保も4キロ増量。ウエイトトレーニングの効果もあり、長打力が伸びただけではなく、スローイングが良くなったことを実感している。
「自分がずっと課題にしていたのはスローイングなので、ウエイトトレーニングをしっかりとやったことで強い送球ができるようになっています」

 小久保のバウンド処理の上手さと強肩が分かるプレーがあった。準々決勝の健大高崎戦では、三塁線に飛んだ難しいバウンドを処理して、ダイレクトスローでアウトにしていた。

 豊富な技術練習、トレーニングによって、明秀日立の選手たちは高いフィジカルとテクニックを身に付けているのだろう。誰もが羨む体格から驚きのパフォーマンスを見せる明秀日立ナインは関東大会準決勝以降、どんな戦いを見せるか楽しみだ。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?