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近年ドラフト戦略◎のロッテが今年必要なのは捕手と内野手か

2021.10.04

近年ドラフト戦略◎のロッテが今年必要なのは捕手と内野手か | 高校野球ドットコム
有薗直輝(千葉学芸)、古賀悠斗(中央大)

 いよいよ、10月11日のドラフト会議が迫ってきました。今回はドラフト会議の解説でお馴染みのスポーツライター・小関順二さんをお招きし、今年の高校生や、各球団の若手メンバー構成、補強ポイント、おすすめの1位候補などに迫ります。今回はパ・リーグの第1回ロッテをお届けします。

――ロッテに関しては、以前から小関さんは黄金時代になる予感がすると話されていました

小関:来年と思っていたが、1年早かった。来年、佐々木朗希藤原恭大が間に合って主軸となって、チームをひっぱるのかなと思っていたが、今年すでにその片鱗が見えている。それ以外の種市篤暉も来年がトミージョン手術明けになるし、来年は非常にいい条件がそろっている。今年はまだ彼らもまだ100%ではないのにもかかわらず、きている。

投手は石川歩二木康太岩下大輝小島和哉はすごくいいし、中村稔弥もいるし、唐川侑己が途中でいなくなっても、益田直也が非常に頑張っているし、佐々木千隼がでて国吉佑樹がDeNAからきて、こんなにいいとは思わなかったし、美馬学鈴木昭汰も戦力として頑張っている。小野郁が中継ぎでいて、田中靖洋もいて、とにかく投手のレベルが高い。そろっている。実は益田がでると1点差だと怖いんです。昨年までは益田が追いつかれて逆転されてというのをみてきたので。でも今年は頑張っている。

 ここのところ、若手の台頭が叫ばれていたチームだが、小関氏の予想も外れるほど、順調にきているということだろう。1年前倒しで、チーム力のアップして、優勝をつかもうというところまできている。

――若手25歳以下のチームとなれば当然チーム力も高くなる

小関:投そうですね。Aランクです。佐藤都志也山口航輝福田秀平安田尚憲小川龍成、1軍に出る選手がそろっている。外野も高部瑛斗藤原恭大和田康士朗。投手も佐々木朗、種石、岩下、小島、鈴木、中村、全部25歳未満で、中森俊介、小野、土居豪人古谷拓郎、みんなここに入っている。来年以降強くなりますよね。

――ドラフトはどうすればいいか

小関:(これまでの)こういうドラフトをすればいい。みんなは、クジ運が良かったから、ロッテも日本ハムも強くなったって、言うけど、そんなことはないんです。まず、入札をちゃんととするか。クジで負けてもちゃんと、代替選手を誰にするかとか、そういう戦略がしっかりしているということです。

 球団として、しっかりとしたプランがあるから、少々クジを外しても、そこも想定内として戦略を組んでいる。ドラフトをうまくすれば、戦力は整えられると強調。さらに、その方針を現場も組んで育てている点も評価している。

小関:野手も現在の主力は中村奨吾安田尚憲藤原恭大荻野貴司、みんなドラフト1位なんです。スタメンに3、4人いるのは強い証拠。DeNAとかは、1位の選手がスタメンにいない。ロッテは近年、ちゃんと取っている。投手も石川、佐々木朗、唐川。1位選手がちらばっているのがいい。一軍の人たちと戦いに耐えうるだけの能力があるかどうか、定められているかどうか。選球眼が悪いチームもいいチームもある。ロッテは近年、選球眼はいい。見る目がしっかりしている。

――具体的にはどんな選手にいけばいいですか

小関:ドラフトの今のいい伝統を守ってほしい。弱いところは捕手。佐藤都志也田村龍弘加藤匠馬。悪くはないがもうちょっと欲しい。あとは二塁手。中村奨のFAのための「ポスト中村」も揃えたい。いい伝統を壊したくないので、風間球打明桜)にいって(クジで)負けたら野手にいってほしい。有薗 直輝千葉学芸)とか、古賀 悠斗(中央大)とか。サードとか内野手から捕手にいってほしい。

――専大松戸の深沢 鳳介とか地元にいい選手がいる

小関:ロッテはそんなに地元志向は強くない。1位、2位は必要ない。でも私は有薗は実力で1位候補だと思っている、あらっぽさがあって、ロッテは残っていて3位とかで取りたいという思惑もあるだろうが、私は1位で取ってほしい。肩がいいのは魅力、メジャーを見るとうらやましい。こんなサードが欲しいと思うが、その欲求を満たしてくれる。パワーもある。

 今後のことを考え、野手、それも捕手を中心としたドラフト戦略をおススメした。野手を育てる意味では評価が高い井口監督のもと、これから黄金期を迎えてもおかしくないロッテ。最後に小関氏は、地元とのつながりについても言及した。

小関:アマチュアが頑張るとプロも頑張る。プロが頑張るとアマも頑張る。日本ハムが札幌いったら数年後に、駒大苫小牧が田中将大で夏甲子園2連覇した。流れがあるんですよ。ロッテが頑張ると千葉のアマチュアも頑張れるんです。

(記事:編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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