Column

「天下の巨人」に漂う危機感…1位候補はあのスラッガー!?

2021.10.01

「天下の巨人」に漂う危機感...1位候補はあのスラッガー!? | 高校野球ドットコム
正木智也(慶應大)

 10月11日のドラフト会議が迫ってきた。今回はドラフト会議の解説でお馴染みのスポーツライター・小関順二さんをお招きし、今年の高校生や、各球団の若手メンバー構成、補強ポイント、おすすめの1位候補などに迫ります。今回はセ・リーグの第3回巨人をお届けします。

――25歳以下のチーム編成ではどうなりましたか?

小関:僕の中ではCランクです。全然ダメ。岡本 和真がいてですよ。岸田 行倫秋広 優人廣岡 大志、岡本、湯浅 大菊田 拡和山下 航汰八百板 卓丸、投手は戸郷 翔征高橋 優貴は一軍だが、直江 大輔山崎 伊織横川 凱大江 竜聖谷岡 竜平、井上 温大[/player]と、僕の中ではこういうメンバーしかできなかった。

 巨人にとって、取り巻く環境が変わってきたことも大きな原因だと小関氏は分析する。大きな危機感をもって、ドラフトに向かわなければ、ブランドに傷がつく。

小関:これは相当頑張ってチーム作りしないといけない。巨人はこれまでトレードで選手を取れていたが、今の時代、超一流は取れない。残留するし、MLBにいってしまう。巨人にいくという選択をしない時代。ドラフトで頑張らないと、強さを維持できないと思う。

――ドラフトはどんな戦略がいいのか

小関:投手も野手も、特に外野まで危機的。若手がいない。そのなかで、慶応大の正木は未完成なんだけど、素材としては1位になるだけのものはある。巨人も過去に慶応の選手を指名しているので、正木は面白いと思う。

 即戦力の若手野手として、慶応大の正木 智也をおススメする。東京六大学で長打力のある外野手として、実績は十分。花のあるスター候補としても申し分ない。

小関:慶応は面白い大学で、東京六大学では高校の名前の知れている選手をとって、出てこなかったりするが、慶応はそういう選手はとらない。でも慶応義塾から上がってきた選手とか、巨人にいった今阪神の山本 泰寛とか、ちょこちょこ出てくる。今、2年生に広瀬 隆太という選手もいる。正木もそうですよね。そういう選手をドラフトの対象になるまでのスケールに仕上げるというのは、育て上げる監督、コーチ陣の能力がすごく高い。東京六大学の中ではピカ一だと思っている。その正木がプロでどこまでなっていくか、見てみたい。まだまだですよ。岡本とか、村上とかとは違うけど、長打を打てるかというのはなかなか苦労すると思うが、育っていく楽しみがある。

 小関氏は慶応大の特徴を口にし、正木の成長曲線についても期待は大きいと分析している。高校時代はそんなに名前が知られていなくても、慶応大独自の指導者に恵まれた環境を経て育ったスラッガーが、プロの世界でどこまで通用するのか。巨人というブランド価値を高めるにも最適だ。

 さらに投手については、「隠し玉」的な存在も口にした。

小関:スケールの大きい選手を指名してほしい。野手も投手も。投手なら小園 健太森木 大智とか。当たり前の名前が出てくるんだけど、日本通運の柴田 大地がどこまでの人気になるのか。トミージョン手術明けで今年が1年目。それでも156キロ投げたし、素材としては魅力ありますよね。映像しかみてないんですけど、これから試合をみるつもりだが悪くないフォームは悪くない。そしてひたすら球が強い。こういう選手も面白い。

 巨人は花があって強くないといけない。そんなイメージがついているが、今年のドラフトについては、その筆頭候補として慶応大・正木を1位指名し、速球派の社会人にも目を向けてほしいと小関氏は祈っている。

(記事:編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>