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大阪桐蔭vs東海大菅生など注目カードが続々/5日目みどころ

2021.08.17

大阪桐蔭vs東海大菅生など注目カードが続々/5日目みどころ | 高校野球ドットコム

 大会5日目は1回戦最後の2試合と2回戦2試合が開催される。雨天も心配される中、無事に行われることを願いつつ、大会5日目の見所を紹介する。

第1試合 大阪桐蔭(大阪)vs 東海大菅生(西東京)

大阪桐蔭vs東海大菅生など注目カードが続々/5日目みどころ | 高校野球ドットコム
松浦慶斗(大阪桐蔭)、本田峻也(東海大菅生)

大阪桐蔭はダメ押しできるかがポイント 東海大菅生は後半戦に持ち込むことができるか?

 1回戦屈指の好カードが朝8時から実現する。大阪桐蔭は1番~9番までタレント揃いの強力な布陣だ。

 打線のキーマンは池田陵真花田旭の3、4番打者。そして、大阪大会で打率.167に終わった宮下隼輔の復活がカギとなるだろう。選抜ではクリーンナップ、近畿大会では1番打者を務めたように、打撃技術的にはチームでもトップクラス。長い調整期間で、本調子となっているのか注目をしていきたい。この3人を挙げた理由は今年の東海大菅生の主力投手が左投手だからだ。全員がスライダーを武器にする投手で、いかにしてコーナーへの見極めができるか。

 

 投手陣では左腕・松浦慶斗がコーナーワークを駆使した投球ができるか。速球を投げたい意欲が強すぎると、真ん中に集まって、145キロ前後の速球でも打たれるケースがあった。最後まで我慢し、最少失点に抑える投球をしていきたい。また気になるのは、大阪大会終盤で守備のミスがあったこと。大会を通じると3失策なので、守備力は高いチーム。セカンドの繁永は「ミスする時は足が止まっていたので、それを直していきたい」と語るように、大事な時ほど、意識して足を動かしていきたい。

 東海大菅生は、本田 峻也がどこまで大阪桐蔭打線を凌ぐことができるかが焦点となる。コントロールの良い櫻井海理もいるが、この試合に限ってはリリーバータイプの千田光一郎の投球もカギになると考える。縦系の変化が使え、本田にはない角度のある投球ができる。

 まず主導権を握れるかどうかは打線次第。1番千田光一郎や、俊足巧打で攻撃手段が豊富な福原聖矢堀町沖永小池 祐吏の上位右打者を中心に攻略できるか。ベンチ入りの鈴木悠平を含め、レギュラー打者は140キロ以上の速球も甘く入れば長打にできるパワー、技術は備わっているので、きっかけを作れば、攻略できる可能性は秘めている。

 試合展開としては大阪桐蔭は中押し、ダメ押しと取れるうちに点を取っておきたい。東海大菅生は多少のリードは想定内として、後半勝負。大阪桐蔭の0行進が続けば、反撃のチャンスは訪れるはずだ。

 予想する展開としては大接戦か、大阪桐蔭が大差をつけて勝つ展開のどちらか。東海大菅生が大接戦に持ち込むにはビッグイニングを作らせない。そこだけに尽きるだろう。初回から激しい攻防を期待したい。

[page_break:第2試合 近江(滋賀)vs 日大東北(福島)]

第2試合 近江(滋賀)vs 日大東北(福島)

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山田 陽翔(近江)

王道目指す近江に対し、日大東北は打ち合いに持ち込みたい

 久々の出場となった日大東北の福島大会の戦いぶりを振り返ると、先行されても追いついて、逆転勝ちするというパターンが多い。先制できれば大きいが、先行されても動じない試合運びは怖いものがある。

 投手陣では右スリークォーターから130キロ台の直球、スライダーで勝負する吉田達也、技巧派左腕・馬場 央典を中心に粘り強く守り抜く。打線は、本塁打も打っている吉田と 上位打線・松川 侑矢奈須優翔を中心につないで点を積み重ねるスタイルだ。

 一方、近江は140キロ後半の速球を投げ込む2年生右腕・山田 陽翔、最速148キロ右腕・岩佐 直哉の2人で守り抜く。打線は山田と前チームから主軸だった新野 翔大を中心に巧打者が多く、得点力の高さは全国クラスだ。

 まず近江は先制、中押しをして、試合の主導権を握りたい。日大東北は先行されても打ち合いに持っていき、全国1勝を掴みたい。

[page_break:第3試合 西日本短大付(福岡)vs 二松学舎大附(東東京)]

第3試合 西日本短大付(福岡)vs 二松学舎大附(東東京)

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秋山 正雲(二松学舎大附)

二松学舎大附は主戦秋山がカギ、西日本短大附は集中打見せられるか

 二松学舎大附の勝敗のカギの7割は握っているとされるエース・秋山正雲の出来に注目だ。東東京大会準決勝では、140キロ前半の速球、スライダー、チェンジアップを投げ分け、三振を量産した。東東京大会の投球ができれば、完成度では左投手ナンバーワンと言う評価を与えられてもおかしくないレベルに達している。甲子園のマウンドに適応し、前評判通りの投球ができるか。また、秋山は打撃もよく、東東京大会では11打数7安打を記録した。投打ともに落ち着きのあるプレーを見せるエースに乗せられて野手陣も勢いに乗る。

 強打の一塁手・関遼輔、決勝戦で活躍を見せた巧打の二塁手・親富祖凪人、巧打者・永見恵多を中心に長打力ある打者が多く、ここぞという時に長打が飛び出し、集中打で主導権を握る。

 対する西日本短大附は、エース・大嶋柊、遊撃手・林直樹、強打の捕手・三宅海斗とセンターラインがしっかりしている。大嶋は制球力が高く、粘り強い投球ができる右の本格派。プロから注目されている林は準決勝の飯塚戦でも同点3ラン。甘く入れば一気に秋山から長打を打てる能力は秘めている。福岡大会決勝戦ではドラフト候補左腕・松本翔真颯館)を攻略して勝ち上がる成功体験を持っている。勝負所を見極め、一気に畳み掛けることができるか。

 二松学舎大附は先制して、秋山の意のままに投球ができる展開に持っていきたい。西日本短大付は走者を出してからが勝負。一瞬の隙をついて畳み掛けたい。3点〜5点勝負の展開になりそうだ。

[page_break:第4試合 京都国際(京都)vs 前橋育英(群馬)]

第4試合 京都国際(京都)vs 前橋育英(群馬)

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皆川 岳飛(前橋育英)、森下 瑠大(京都国際)

力の差はなく激戦必至の前橋育英VS京都国際

 近年、全国、地方大会でも上位に入る実力校同士の対決は見応えのある試合展開となりそうだ。

 前橋育英は群馬大会決勝戦でも全国レベルの打線・健大高崎を守備で抑え込んで勝利したように、伝統の守備力の高さは健在だ。エースの外丸 東眞は制球力が高く、お手本というべき投球ができる。そして全国トップレベルのスラッガー・皆川岳飛、3番・岡田啓吾とハイレベルな左打者が揃っている。

 春夏連続出場の京都国際は春甲子園でプレーしているのが大きなアドバンテージだ。143キロ左腕・森下瑠大、伸びのある快速球を投げ込む右腕・平野順大の2年生の二枚看板をはじめ、正捕手・中川勇斗が勝負強い打撃と強肩を武器にチームをまとめる。センバツでも活躍した2年生ショート・武田侑大はパンチ力ある打撃と強肩が光る守備で夏の甲子園でも発揮できるか。

 お互い守備を中心に守り勝つ野球で、ここぞという時に集中打で勝ち抜くチームカラーは非常ににている。粗っぽさもなく、3点〜4点の勝負が期待できそうだ。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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