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全国屈指のスラッガー擁する千葉学芸と投手力は県内ナンバーワンの中央学院の課題は?

2021.06.22

 戦国千葉展望も最終回。今回は千葉学芸中央学院とタレント揃いのブロックである。

全国屈指のスラッガー擁する千葉学芸と投手力は県内ナンバーワンの中央学院の課題は? | 高校野球ドットコム2021年千葉大会展望
第1回:専大松戸ブロックに強豪校集結も…。それでも専大松戸が期待できる理由
第2回:県立船橋、市立船橋、幕張総合のブロックに実力が集結!ノーシード大躍進の可能性大!
第3回:成田、木更津総合、習志野…と注目度No.1ブロックのシード校の課題は?

千葉学芸が関東一の敗戦から学んだこと

全国屈指のスラッガー擁する千葉学芸と投手力は県内ナンバーワンの中央学院の課題は? | 高校野球ドットコム
左から北田悠斗、有薗直輝(千葉学芸)

 今大会注目スラッガー・有薗直輝擁する千葉学芸。有薗は先週の船橋芝山戦で本塁打、そして立正大立正戦で2本塁打。県民の日となった敬愛学園戦で本塁打を放ち、高校通算67本塁打。通算70本塁打は十分見込みがある。練習試合では常にスカウトが視察。そこで豪打と抜群の強肩を発揮し、評価を上げている。有薗に求められるのは勝負強い一打と好投手に対して対応力の高さを発揮することだろう。

 そしてエースの北田悠斗も素晴らしい。北田は県大会後に評価が上がっていた投手だ。千葉県大会決勝戦では専大松戸相手に5安打2失点完投勝利。それだけでも素晴らしいが、専大松戸は関東大会でも猛打を発揮し、関東の頂点に立ち、関東大会の初戦で対戦した関東一相手にも8回まで無失点。サヨナラ負けを喫したが、その後、関東一が快打・強打を発揮している試合運びを見ると、改めて北田の投球の凄さを実感できる。球速は常時120キロ後半〜133キロほど。対戦打者いわく想像以上にボールが伸びて、スライダー、チェンジアップの切れもかなり良いようだ。フォームを見ても出どころが見にくく、投手として必要な技術が備わっており、わかっていても打ち崩せない投手に入るだろう。

 ただ千葉は連戦が多いので、球数制限を見ながら、投手としても最速148キロを誇る有薗などが控える。夏の大会に向けてどれだけ投手の頭数を増やせるかもチェックポイントだ。

 関東一との敗戦から学んだのが走塁。関東一の執念強い試合運び、走塁を見て、一つでも先の塁を狙う姿勢が重要と実感。練習試合でも走塁に対しての意識の高さが感じられた。相手にプレッシャーをかける走塁は同時に対策にもつながる。特に千葉県は習志野を筆頭にプレッシャーをかける攻撃が長けたチームも多いので、初の甲子園出場を狙う千葉学芸にとっては良い敗戦だった。

[page_break:中央学院の二枚看板に求めたいこと]

習志野は夏までにどれだけ戦力が浮上するか

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左から細谷怜央、飯尾嶺(中央学院)

 有薗、北田以外では高校通算20本塁打以上のスラッガー・板倉颯汰、2年生ながら県内上位の守備力を誇る遊撃手・鈴木結翔、強肩捕手・佐藤柊汰と野手もタレント揃いだ。

 同ブロックでは、千葉黎明、ノーシードだが、攻撃力が非常に高い千葉商大附、同ブロックのシード・東京学館船橋は強打の捕手・蜂須賀 颯を中心に振れる打者が揃う千葉商大付も注目だ。

 千葉学芸と同ブロックで、勝ち進めば準々決勝で対決する可能性のある中央学院は150キロ右腕・細谷怜央、140キロ中盤の速球を投げ込む飯尾嶺、伸び盛りの2年生右腕・糠谷翔大、135キロ前後の速球を投げ込む坂本義仁と投手陣のタレント力は県内ナンバーワン。打線は強肩巧打の捕手・森一輝、俊足強肩巧打と三拍子揃った外野手・片山春登と打者もミート力とスピードを兼ね備えた野手が多い。500球の球数制限がある中、中央学院のように実戦力が高い投手を多く揃えているのは大きな強みといえる。

 エースである細谷はストレートのゴリ押しではなく、昨秋の県大会の千葉英和戦で発揮した緩急自在な投球が求めていきたい。大会後から体幹トレーニングを中心に体の使い方を学びなおしてきたことが夏の大会に発揮できるといいだろう。飯尾は、ストレートの威力は素晴らしいが、春の大会では不調に終わった。5月の練習では切れの良いストレートを投げており、そこに投球術を学び直し、夏を迎える予定だ。春とは違う奥行きのある投球を見せることを期待したい。打線が繋がり、持ち味のスピード感溢れる野球を展開すれば、3年ぶりの甲子園出場も期待できる。

 同ブロックのシード・我孫子東は投打の柱・藤原亮輔を中心にパワフルな打線が魅力。特に藤原の高校生離れした体格を生かした強打は必見だ。

 このブロックには佐倉や瀬戸監督で立て直しを行い、スピード感溢れる野球を展開する東海大浦安、さらにノーシードながら総合力が高い千葉敬愛も怖い存在だ。

 今年の千葉は見所満載。改めてファンを沸かせるような大会になることを期待したい。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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