鈴木誠也タイプのアスリート型外野手、北の速球王などセンバツを逃した逸材たち【東日本編】
選抜出場32校が決定した。今回は選抜出場を逃した学校を焦点に充てていきたい。
ただ、選抜出場を逃した学校の対象を広げすぎると、3000数校になってしまうため、各都道府県から推薦され、選考に漏れた選抜出場候補校から選手を選んでいきたい。
北の速球王など好投手勢ぞろい!
田中 楓基
まず北海道でいえば、旭川実の大型右腕・田中 楓基に注目だ。上半身を鋭く振った投球フォームから繰り出す145キロ前後の速球は威力抜群。スライダーの切れもよく、道大会決勝戦では北海・木村 大成と熱い投げ合いを演じた。北海道枠が1しかないのがなんとも惜しい投手だ。北北海道のライバルは非常に多いが、それを寄せ付けない投手となって全国の舞台に乗り込んでほしい。間違いなく春の支部予選から注目が集まる選手だ。
そして花巻東の菱川 一輝も秋季東北大会で好投を見せた本格派右腕。佐々木 朗希に影響されたような左足の使い方とテークバックの取り方をしており、勢いある直球と変化球は魅力的。順調にいけば、150キロ超えも到達可能な投手で、春季東北大会出場まで果たせば、スカウトからかなり注目される投手ではないだろうか。
盛岡大附のスラッガー・松本 龍哉も高校通算30本塁打を超える左打者で、春先から活躍に期待がかかる。そして、日大山形の浅利 瑠良もパワフルなスイングから長打を量産する大型外野手だ。
関東・東京地区では日大三のエース・宇山 翼は縦スライダーを武器にする本格派左腕。さらに球速を伸ばし、さらに打たれにくい投手を目指していきたい。
そしてベスト4の関東一、二松学舎大附にはそれぞれ都内を代表する好投手がいる。関東一の市川祐は最速144キロの速球、スライダー、カーブを武器に淡々とゲームメイクができる好投手。秋の大会では本調子ではなかったが、それでもしっかりとまとめる能力はさすが。心身ともに万全して、速球で圧倒する投球を見せていきたい。関東一の投手では久しぶりに高卒プロも狙えるのではと思わせる逸材だ。
[page_break:アスリート型スラッガーなど打者陣も見逃せない]アスリート型スラッガーなど打者陣も見逃せない
吉野 創士
二松学舎大附の秋山 正雲は170センチと小柄ではあるが、大江 竜聖(巨人)のオーバースロー時代を彷彿とさせる好左腕で、最速143キロの速球、スライダーで圧倒し、敗れたものの、日大三戦では7回まで無安打1失点に抑え、東京どころか関東でもトップクラスの左腕だ。
関東地区では最速144キロ右腕の島田 舜也(木更津総合)は183センチの長身から繰り出す角度ある直球とパワーカーブは絶品。関東大会準々決勝で撃ち込まれた経験を糧に、さらに打ちにくい投手になってほしい。
関東大会初戦で敗退したが、吉野 創士(昌平)は高校通算43本塁打を誇るアスリート型スラッガー。スラッガーとしての素材では吉野より上回るスラッガーは今年の高校生では何人かいるが、吉野はプロでもウリにできる脚力、肩の強さがある。そしてスタイリッシュで、人気プレイヤーになる雰囲気が漂っている。完成形は鈴木 誠也(二松学舎大附ー広島東洋)のような選手だろう。
その吉野より上回るスラッガーだと思うのが、昨秋、東海大会準決勝敗退に終わった岐阜第一の阪口 樂だ。昨夏・帝京大可児戦では、レフトへ特大本塁打、そして153キロ右腕・20110からライトへ特大弾。この2発を何度もリピートして見た方も多いのではないだろうか。投手としてもまとめる能力は高いが、やはり魅力は野手だろう。春の大会から要チェックだ。
準決勝敗退の三重も大型右腕・堀田 琉生は130キロ台ながら動く直球が持ち味。そして東邦も好左腕・知崎 滉平は140キロ前後の速球を投げ込み、さらにU-15代表を経験した鈴木 唯斗も昨秋の時点で高校通算20本塁打を超えるスラッガーだ。
続いては西日本編の逸材を紹介したい。
(記事=河嶋 宗一)