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さらに強くなる東海大菅生、関東一 2021年東京の高校野球を占う!

2021.01.05

コロナに東京五輪 先のみえない1年

さらに強くなる東海大菅生、関東一 2021年東京の高校野球を占う! | 高校野球ドットコム

来夏東京大会は準決勝から東京ドームで行われる。

 東京の高校野球にとって2021年は、例年にも増して先の見通せない年になる。最大の要因は言うまでもなく、コロナである。ワクチンのニュースなども報じられているが、2021年もコロナと向かい合わざるを得ないのは間違いない。

 予断を許さない状況ではあるが、春と夏の甲子園大会が2年続けて中止になることはないはずだ(と信じたい)。東京も春、夏、秋の公式戦は、開催されるものと思う。

 ただ観客は球場の収容人数の何%まで認めるかは、コロナの状況次第となる。また、声を出しての応援やブラスバンドとなると、さらにハードルが高くなる。ただ高校の部活動は、実質2年数カ月。それを考えると、少しでも高校野球の日常の姿を取り戻してほしいものだ。

 コロナと関連するが、東京五輪も夏の東西東京大会と時期が重なるだけに、影響が大きい。今のところ、国も都もIOC(国際オリンピック委員会)も開催の意思を明らかにしているが、世論はかなり懐疑的だ。

 それでも東京の高校球界としては、開催されることを前提に動くしかない。開催されれば、神宮球場はほとんど使えないし、五輪の野球・ソフトボールの練習会場になっている大田スタジアムの使用も制限される。そうなると、東東京大会はかなりの試合を西東京大会の球場で行う必要があり、移動距離は増える。

 そして、準決勝と決勝戦は東京ドームで行われる。慣れない球場での試合は、何が起こるか分からない。その点も含め、東西ともまずはベスト4に残ることが重要である。そのため春季都大会で勝ち上がり、より上位のシードを確保することは、大きな意味を持って来る。

[page_break:秋の早期敗退チームも上位進出の可能性は十分]

秋の早期敗退チームも上位進出の可能性は十分

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林平太郎(都立城東)、武藤闘夢(帝京)

 秋季都大会の結果から、東海大菅生桜美林日大二日本学園八王子日大鶴ヶ丘都立日野関東一佼成学園二松学舎大附早稲田実大森学園創価日大豊山日大三都立小山台の16校が春はシードされる。春季都大会でベスト16に入り、夏にシードされるには、この16校がターゲットになる。

 いずれも実績のある強豪校だけに割って入るのは容易ではないが、下剋上も十分あり得る。この秋は準備期間が短く、完成度が低いチームが多かっただけに、ひと冬超えて、変わる可能性が多分にあるからだ。

 まず注目は帝京だ。秋は2回戦で小山台にまさかのコールド負けを喫したが、潜在的な力は、東京でもトップクラス。まずは武藤 闘夢を中心に、攻撃力をどれだけ上げることができるか。修徳も1回戦で早稲田実にコールド負けを喫したが、床枝 魁斗投手を中心として、上位に食い込む力は十分ある。

 また秋は1次予選で敗れたチームでも、昨秋4強の主力であったエース・林 平太郎がさらに成長している都立城東をはじめ、日体大荏原明大中野明星都立片倉都立葛飾野都立紅葉川などが、春に躍進する可能性がある。

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さらに強くなる東海大菅生、関東一

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関東一 市川 祐

 春上位に食い込むためにも、夏に甲子園を目指すためにも鍵となるのは、2番手以降の投手だ。

 夏は決勝戦が東西同日開催になるため、東西どちらかが、準決勝、決勝と連戦になる。さらに、余裕のある日程が組まれると思うが、近年悪天候に悩まされていることを考えると、7月31日から8月2日の東京ドームの日程に合わせるため、強行日程になる可能性もある。

 また春季都大会は例年、春休み期間の4月1日から8日までに3回戦を行い、4回戦以降は土日開催となる。2021年の4月は10日、11日が土日になるため、4回戦まではほぼ通しの開催になる可能性がある。球数制限があることも考えると、複数の投手がいないと勝ち抜けない。

 秋季都大会は二松学舎大附秋山 正雲関東一市川 祐だけしか投げていないことが気になるものの、今のところ、秋4強の東海大菅生日大三関東一二松学舎大附が優位であることは間違いない。

 東海大菅生本田 峻也鈴木 泰成の投手陣をはじめ戦力が充実しているが、春はそこに秋は故障で出場できなかった主将の榮塁唯が加わる。チーム内で競争しながら戦力を挙げている。

 また関東一は、秋季都大会でエースの市川 祐が故障を抱え、遊撃手の初谷 健心が3回戦で肋骨を痛めるなど、本来の状況ではなかったが、東海大菅生と対等な試合をした。準決勝で敗れた後、米澤 貴光監督は、「夏この子たちは絶対に強くなる」と語っていた。

 夏は、西東京大会は東海大菅生、東東京大会は関東一を中心とした展開になるだろう。逆にこの両校に勝てるチームを作ることが他の学校の目標になるはずだ。

 いずれにしても、コロナの感染拡大が続いているが、感染予防をしっかりしたうえで、春により成長した姿をみせてほしいものだ。

(記事:大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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