Column

交流試合の躍進に馬淵監督が語った「生き方」 四国地区高校野球・2020年の3大ニュース

2020.12.23

 日本中、いや世界中が新型コロナウイルスに苦しみ抜いた2020年も間もなく終わろうとしている。野球界も例外なく厳しい一年を過ごした中、四国の高校野球では今年、何が起こったのか?今回は3大ニュースにまとめてお送りしたい。

3位 甲子園交流試合で四国勢、鳥取城北と智辯和歌山に連勝!

交流試合の躍進に馬淵監督が語った「生き方」 四国地区高校野球・2020年の3大ニュース | 高校野球ドットコム
香川県大会秋夏連覇も果たした尽誠学園

 春のセンバツに続き夏の後援も中止。今年の全国舞台は8月の「甲子園交流試合」のみとなったが、四国勢は見事な戦いぶりを見せた。

 まず明徳義塾(高知)は鳥取城北に苦戦を強いられながらも「制球力とクイックに難がある」相手の弱みを奥野 翔琉(3年・中堅手・JR西日本入社予定)の3盗塁などで着実に突き、最後は4番・新澤 颯真(3年・一塁手・拓殖大進学予定)の逆転サヨナラ打につなげた。

 さらに圧巻だったのは尽誠学園(香川)。智辯和歌山(和歌山)に対し香川県独自大会から着実に準備を重ね、大舞台で8対1と快勝。スカウティング・個々の実力向上・チームワーク全てが合致した見事な勝利だった。

[page_break:2位 明徳義塾・代木 大和。驚異の秋季公式戦防御率0.58!]

2位 明徳義塾・代木大和。驚異の秋季公式戦防御率0.58!

交流試合の躍進に馬淵監督が語った「生き方」 四国地区高校野球・2020年の3大ニュース | 高校野球ドットコム
明徳義塾の大黒柱・代木 大和

 最速151キロ右腕・森木 大智(2年)の動向が注目を集めた秋。主役の座を奪ったの明徳義塾の左腕・代木大和だった。甲子園交流試合でリリーフ登板した際の反省を踏まえ、秋はストレートをあえて130キロ中盤に制球。120キロ後半のカットボールも駆使し、公式戦7試合全て完投・4完封で62回を投げ四死球わずか10・防御率0.58という驚異的な数字を残し四国大会連覇に大きく貢献した。

 明治神宮大会が中止となったため全国でその妙技を披露する機会がなかったのは残念だったが、「ストレート主体の投球」を誓い筋力強化にも取り組む代木が、2021年にどのような姿を見せるのか。森木投手をはじめとする四国投手たちの奮起も含め大いなる期待を持って見つめていきたい。

1位 四国の高校野球人、世間に「コロナ禍での生き方」を発信する

交流試合の躍進に馬淵監督が語った「生き方」 四国地区高校野球・2020年の3大ニュース | 高校野球ドットコム
明徳義塾・馬淵 史郎監督

 夏の甲子園が中止になった際に侍ジャパンU-18代表監督も兼ねる明徳義塾・馬淵史郎監督が発したメッセージ(https://www.hb-nippon.com/news/36-hb-bsinfo/41652-bsinfo20200520011)。

 「目標は消えても仲間は消えない」とまっすぐに言い切った松山商主将(旧チーム当時)・国澤彪馬(3年・遊撃手)。

 全国でそうだったように、この夏には様々な場所で四国の様々な指導者たち、選手たち、高校野球人たちが部員たちに向き合い、悩み苦しんだ末にメッセージを発信。その1つ1つは単に野球界でなく世間に対して強く響くものだった。2021年も全く予断を許さないことになりそうな「コロナ禍の世界」。私たちは様々なことが制限された中で何ができるのか。その言葉たちから今一度考える必要がある。

(記事=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.13

【北海道】帯広大谷、遠軽、函館大柏稜が全道大会出場へ<春季全道大会支部予選>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?