Column

今年の独立リーグのドラフト候補は過去最強の顔ぶれ。四国、BCともに人材豊富。

2020.10.26

 今年の独立リーグは過去最強の顔ぶれと聞く。特に投手は四国アイランドリーグplus、BCともに人材豊富だ。

 BCは150キロ以上の投手が多く揃った。

実力者揃いのBC

 まずは右サイドから最速156キロをマークするという前川哲。高校時代から140キロを超える投手として評判だったが、紆余曲折を経て、本物になりつつある。

 腕の振りが強く、鉛とも表現できるような威力あるストレートで詰まらせることができる。

 そして高校、大学ではほとんど登板がなかったという石田 駿(BC栃木)は肘が立った右のサイドハンド。常時140キロ後半の速球は勢いが抜群。32試合で防御率3.48、投球回(31)を上回る39奪三振を記録しているものの、即戦力性が求められる独立リーグにおいてこのファクターは不安があり、将来性を買って育成枠の評価となりそう。1年待って即戦力評価でも遅くはない。

 高橋 康二(BC福井 水口出身)は191センチの長身から最速154キロのストレート、フォークを武器に、30試合に登板し、10セーブ。39.1回を投げ、40奪三振、防御率1.37と打高のBCリーグでこの成績は圧巻。26歳と高齢ではあるが、潜在能力は光るものがある。鈴木 駿輔(BC福島 聖光学院出身)は、青山学院大を中退し、そしてドラフト対象年となる今年は10勝、リーグ最多の98奪三振をマーク。高校時代は二刀流として活躍したが、今では150キロ前後の速球と切れのある変化球を投げ込む先発型右腕へ成長した。

 打者では打率.393、13本塁打をマークしたBCトップのスラッガー・速水 隆成(BC群馬 桐生第一出身)は体格、打球そのものはNPBの打者とひけをとらない。需要があれば、それなりにプレーできる選手だ。

 一方、四国アイランドリーグplusは、2005年からリーグがスタートし、今年は史上最強という評判だ。

今年の四国アイランドリーグplusは史上最強!

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石井 大智

 今年は7投手に調査書が届いている。石井 大智(秋田高専―高知ファイティングドッグス)は今年の独立リーグでは最も高く評価されている投手で、最速153キロの速球と切れ味鋭いシンカーを武器に、今シーズンは防御率1.69、129奪三振、奪三振率11.50をマーク。6勝7敗と負け越しをしてしまったが。それでも実力は折り紙付きのものがあり、本指名に期待がかかる。

 平間 凛太郎(高知ファイティングドッグス 山梨学院大付出身)は大谷世代最後の大物。左腕のグラブを高々と挙げて振り下ろす最速153キロのストレートは威力抜群。リーグ最多の18セーブをマークしている。今年で26歳を迎えるが、潜在能力は高い。


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戸田 懐生

 楢嵜 塁鳥栖工―日本経済大―徳島インディゴソックス)
山本由伸そっくりなフォームから最速152キロのストレートと高速変化球を武器にする本格派右腕。今季は防御率2.51。潜在能力は高いものを持っており、素材の良さが評価されて、NPB入りはなるか。

 森 祐樹有明―日本経済大―徳島インディゴソックス)
1年前もドラフト候補に挙がったものの指名漏れ。1年を乗り越えて、最速152キロの速球、変化球も大きく向上した大型右腕。特に130キロ後半の高速変化球を取り入れたことで投手の大きな引き出しが広がった。

 亀山 英輝(徳島インディゴソックス 小樽水産出身)は主にクローザー役として活躍を見せる速球派右腕。今シーズンは41試合、4勝5敗、防御率2.23、13セーブを上げ、奪三振は60.2回を大きく上回る73奪三振を記録。6月~8月までは最速151キロの速球と切れのあるスライダーを武器に打者を圧倒する。

 行木 俊(徳島インディゴソックス 横芝敬愛出身)は急激に評価が高まっている。最後の夏から肩の故障に苦しみ、NPB入りした高校の先輩・伊藤 翔鎌田 光津希に続こうと徳島入りしたが、高卒1年目の昨年は怪我で苦しんだが、まず怪我を直し、さらに、投球フォームも「テイクバックを中心としたフォーム・腕に力を入れず体重移動で投げる意識」した結果、見事に復活を遂げ、今シーズンは先発として活躍10月17日の高知ファイティングドッグス戦で最速153キロをマーク。

 空振りが奪える縦スライダーも魅力で、首脳陣も「覚醒した」と絶賛。今季は8試合に登板し、3勝を上げ、防御率1.28と成績を高めた。伸び盛りの20歳右腕として9月以降からスカウトのクロスチェックが始まり、そこで好投を見せたことで、アピールはばっちり。伊藤、鎌田に続くNPB入りは果たすことはできるか。

 そして最後に紹介するのが戸田 懐生(あおぞら高―徳島インディゴソックス)だ。

 独特の足上げから繰り出す直球は最速150キロ。普段は140キロ前半だが、回転数が高く、次々と空振りを奪い、変化球の各種の精度の高さも一級品で、リーグ最多の139奪三振をマーク。そして9勝を挙げ、最多勝も獲得。20歳ながら、その完成度の高さは社会人の投手とひけをとらないものがあり、シーズン前から実力ナンバーワンと評価されていましたが、期待通りの成績を残し、シーズンMVPも狙える状況だ。

 関西独立リーグでは和歌山東時代からドラフト候補として注目された149キロ右腕・落合 秀市(関西独立・兵庫)は速球の威力は抜群で、スライダーの切れもよく、未完成ではあるが、潜在能力は抜群。そして、小山 一樹済美出身)も高校時代、四国屈指の好捕手と呼ばれた強肩捕手で、独立リーグでは打力が高い捕手として注目を浴びている。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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