試合レポート

八王子vs都立富士森

2020.10.19

八王子、投打がかみ合い、富士森に圧倒し、初戦突破!

八王子vs都立富士森 | 高校野球ドットコム
先発・羽田慎之介(八王子)

 八王子vs都立富士森と八王子市内の高校同士の一戦。序盤は八王子のペースだった。

 4番仲村渠 翔太の痛烈な左前安打から始まり、その後、満塁のチャンスから8番奥 順哉の2点適時打、9番渡邉 凜之介の犠飛で3点目を入れる。

 しかし都立富士森は制球力に不安がある八王子の先発・羽田慎之介(はた・しんのすけ)を攻め立て、無死一、二塁から3番・比嘉 宇基が甘く入ったスライダーを逃さず、3ラン本塁打を放ち、同点に追いつく。比嘉は都立の左打者ではトップレベルのショートストップではないだろうか。スクエアスタンスで構え、トップに入ってからインサイドアウトで振りぬく。羽田の140キロを超える速球に対しても怯むことなく、スイングができていた。廣瀬監督は「私の指導者生活でも、打つだけではなく、これほど走れて、守れて、投げられる選手というの初めてですね。彼は取り組む姿勢もよく、一番早く来て、一番遅く帰るという選手なんです」と絶賛する。強豪私学の選手と比較しても負けていない選手だといえる。

 ただ八王子は4回以降から打線がつながり、4回表には9番渡邉 凜之介の適時打で勝ち越しに成功。5回表には、5番羽田の適時打、さらに6番小高 健太郎の右犠飛で06点目。6回表には、3番落合俊介の犠飛で6点目。7回表には9番渡邉 凜之介が3安打目となる2点適時打で9対3と点差を広げる。渡邉はこれで4打点目。八王子の打者は全体的にシャープなスイングができる選手が実に多く、一次予選では打撃の破壊力不足が課題となったが、一次予選終了後の1か月の準備期間でしっかりと打線を強化している。

 その後も追加点を入れて、11対3とした。八王子の羽田は8回を投げて10奪三振、3失点の力投。9回裏は一次予選で好投を見せた左腕・舘野 智靖が登板。120キロ後半の速球、キレの良いスライダーを投げる好左腕で、安定感は羽田以上。2三振を奪い、勝利を決めた。羽田の控えに舘野のような左腕が控えていることは心強いだろう。

 次は国士館と立教池袋との勝者となった。この夏から顔ぶれが大きく変わったとはいえ、やはり底力がある。
それでも安藤監督はこの秋からシード制が導入され、2回戦では必ず強豪校と対戦することを見据えて準備してきた。一泡吹かせる戦いを見せることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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