【12球団ドラフト指名予想】独自路線を貫くDeNAの上位指名には高卒選手が必須?
今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。
この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。
今回は現在4位の横浜DeNAのドラフト指名予想を行う。
横浜DeNA
〈順位〉4位
〈勝-敗-分〉49勝49敗5分
〈勝率〉.500
〈打率〉.268
〈防御率〉3.79
成績は10月18日時点
とにかく息の長い高卒選手を!
山下舜平大(福岡大大濠)
―DeNAの今年の戦力と戦いぶりはいかがですか?
小関:DeNAはドラフトは常に翌年のことしか考えていなくて、将来展望というのはほとんど感じられません。これは楽天にもこの傾向があるのですが。そういうチームは巨人のような2、3年後のチームを見据えて選手を整えてきているチームにはかなわないですよね。私は狙いが間違っていると思います。常に翌年のことばかりを考えているように思えます。
特に、左腕ばかり揃えて「どうだ!」というところなど。チームのためではなく、マスコミやファンに向けて「私たちは他とは違うことをやっていますよ」という変な自己主張を感じてしまいます。もう少しチームの未来展望を確立して、それに沿って指名してほしいですね。
―故障者が多いことも懸念ですね。
小関:基本的に上位指名は大学生が多いチームですけど、大学生は高校生より4年時間が短いですよね。寿命の長い選手もいますが。その点で大学生は高校生より未来戦略を描きにくいですよね。大学生を獲ったのなら、次の年は高校生、投手を獲ったのなら次の年は野手という具合でうまく混ぜ込んでいかないといけないですよね。
―そんな中でドラフト1位はどんな選手が良いでしょう?
小関:去年は高校生野手の森 敬斗(桐蔭学園出身)を獲りましたけど、早稲田大の左腕・早川 隆久(木更津総合出身)ではなく、今年は高校生投手をとるべきだと思います。福岡大大濠の山下舜平大や中京大中京の高橋宏斗、あるいは明石商の中森俊介など、プロの世界で作り上げていく時間が長い高校生投手を指名してほしいです。
お膝元・東海大相模や横浜からも6人が提出
西川 僚祐(東海大相模)
―今年は東海大相模や横浜といったお膝元から計6名が提出していますよね。
小関:上位にくる感じはしないですがね。しかし、例えば慶應大の選手は卒業したら野球そのものをやめて、一般企業に就職するような選手が多かったのですが、最近は違いますね。結構こぞって志望届を出しますよね?おそらく野球が魅力ある職業になったのかなと思います。今年は別ですがここのところお客さんも多いですし。若者のロマンをかき立てる職業になったのかなと思います。
そういうことを東海大相模や横浜の選手に感じました。東海大相模は大体、上の方の選手は東海大、国際武道大に行くことが多かったじゃないですか?やっぱり多くの選手がプロ志望届を出すってことはプロ野球界にとってはすごく好ましい状態だなと思います。
―投手はスケールの大きい選手で、野手ではどうでしょう?
小関:結局外国人主体で行くことが多いからですね。ソト、ロペス、オースティンの3人がきているので、その分日本人の活躍の場が奪われますよね。佐野恵太(広島広陵出身)みたいに大化けする選手も現れましたけど、将来的にベイスターズを背負って立つような大物感のある選手がいないというのが今の印象です。
梶谷 隆幸(開星出身)もFAで出るかもしれませんし、伊藤 裕季也(日大三出身)などもいるのですが、大卒ですから5年も経てばすぐ年齢もいってしまうので、もっと若い選手を上位で獲ってほしいです。特にスラッガータイプですね。
小関:上位かと言われれば首を傾げますよね。今年は甲子園もなかったので尺度がなくなり難しいですが。おかやま山陽の漁府 輝羽や、青藍泰斗の石川 慧亮、花咲徳栄の井上 朋也などを2位とかで指名すると、「お、変わったな」と思えるのですが。
横浜DeNA編は以上。独自路線を貫く横浜DeNAは将来のチーム図を描きどんな戦略をとっていくのか、注目していきたい。