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やんちゃ坊主、甘えん坊でも能力は凄かった2018年U-15日本代表。コーチを務めた元プロ・徳元敏氏が語る侍戦士たち【西日本編】

2020.09.19

 毎年、各世代で活躍する選手の経歴を見ると、中学時代に日本代表に選出された選手だったということはよくある。中でも、連盟の括りがない侍ジャパンU-15代表は、各連盟のトップ選手が集うため非常にレベルが高いことで有名だ。

 今回は、そんなU-15日本代表の中で、新チームを迎えた2年生の選手に着目していく。

 2018年8月10日~19日にパナマで開催された、第4回WBSC U-15 ワールドカップに出場し、4位の成績を残した当時の侍ジャパンU-15代表の選手たち。
 コーチとして指導した東練馬シニアの徳元敏監督(元オリックスなど)に、当時の選手たちの印象やエピソードを伺いながら、現在地についても見ていきたい。前編では西日本の高校に進んだ選手を紹介したい。

関西人独特の気持ちの強さがあった大阪桐蔭・池田陵真

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大阪桐蔭・池田陵真(忠岡ボーイズ出身)

 まずここまで最も存在感を見せているのは、大阪桐蔭の池田陵真(忠岡ボーイズ出身)ではないだろうか。1年秋から1番センターに定着し、この夏も勝負強い打撃で打線を牽引。長打力も増し、本塁打も量産中。甲子園交流試合でも東海大相模を相手に2安打を記録し勝利に貢献し、さらに新チームからは主将を務めている。

 そんな池田について徳元監督は、「目のギラギラした関西のやんちゃ坊主」と当時の印象を振り返る。

 「キャプテンに指名しましたが、とにかく目がギラギラして、一番試合に出たい、俺を出してくれという思いがすごく強い選手でした。関西人独特の気持ちの強さがあって、やっぱり2年から活躍するよなという感じですね」

 またこの年のU-15代表からは、池田の他にも速球派右腕・竹中勇登(倉敷ビガーズヤング出身)、捕手・坂玲哉(湖南ボーイズ出身)、竹中と同じく速球投手として注目された樋上颯太(湖南ボーイズ出身)、外野手・花田旭(西淀ボーイズ出身)と4名の選手が大阪桐蔭に進学した。

 竹中は1年秋から公式戦でも登板があり、坂も夏はベンチ入りを経験。樋上、花田も新チームでは活躍が期待されているが、徳元監督は、彼らについても大きな期待を込めてエールを口にした。

 「竹中も田舎のやんちゃ坊主ですよ。『田舎者だけど何?』みたいな感じで。坂も樋上も中学の時から実力がありますし、花田ももっと早く試合に出ると思っていました。
 みんなまだまだこれからなので頑張ってほしいですね」

[page_break:甘えた。でもすぐに選出をお願いした智辯学園・小畠一心]

甘えた。でもすぐに選出をお願いした智辯学園・小畠一心

やんちゃ坊主、甘えん坊でも能力は凄かった2018年U-15日本代表。コーチを務めた元プロ・徳元敏氏が語る侍戦士たち【西日本編】 | 高校野球ドットコム
智辯学園・小畠一心(オール住之江ヤング出身)

 そして同じ関西地区では、智辯学園の144キロ右腕・小畠一心(オール住之江ヤング出身)、そして天理に進んだ杉下海生(泉佐野リトルシニア)も1年秋から遊撃手として活躍。同じく天理の内山陽斗(羽曳野ボーイズ出身)も左の強打者として存在感を見せている。

 特に小畠は1年夏から甲子園の舞台に立っており、選考時も非常に印象に残る選手だったと当時の印象を語った。

 「人間性としては本当に甘えた(甘えん坊)です。でも、最初に見た時『こいつはええわ』と思って、すぐに清水さん(隆行・代表監督)にお願いしました。野手だけでなくてピッチャーもできますよと」

 その他、西日本では、鹿児島実城下拡(串木野ドリームズ出身)が1年生時から正捕手に座り、打線でも中軸として活躍中。

 また広島新庄秋山恭平(筑後サザンホークス出身)も、投手陣の柱として活躍を見せており、1年秋は中国大会で好投を見せてベスト4進出に貢献。さらに甲子園交流試合でもチームを勝利に導く好投を見せた。
 日本代表では怪我で登板ができなかった福岡大大濠古川秀弥(ヤング西福岡メッツ出身)は、野手として奮闘中だ。

 「秋山も広島新庄の軸として頑張っていましたね。新チームでも楽しみです。
 城下は1年から鹿児島実でマスクを被ってますからね。本当にすごいなと思いましたよ。実戦向きの選手で、ジャパンではファーストで使っていたんです」

(取材=栗崎祐太朗

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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