履正社vs信太
履正社がコールドで準決勝進出も岡田監督は不満顔。投手陣を引き締め直して決勝に臨む
「両チームで四死球17出ました。やっぱりストライクで先行でいけると抑えられますが、ボール先行だとこういう展開になります」
試合後の岡田監督の表情は、決して穏やかなものではなかった。
[stadium]豊中ローズ球場[/stadium]で行われた履正社と信太の準々決勝は、履正社が序盤から得点を重ねて8回コールドで準決勝進出を決めたが、試合内容は決して良いものではなかったからだ。
信太先発の澁谷拓弥は立ち上がりから制球に苦しみ、初回に押し出し四球で1点を与えると、2回にも四球で出したランナーを3番・小深田大地、5番・大西蓮のタイムリーで返されて序盤で早くも主導権を奪われる。
履正社打線はその後も、5回までの8得点を奪う猛攻を見せて、大量リードを奪う展開となった。
このまま逃げ切りたい履正社だったが、投手陣がピリッとしない。
5回裏、四球などから二死満塁のピンチを招き、9番・大倉快晴に押し出し死球を与えると、続く1番・東堂陽二郎にもタイムリーを浴びてこの回2失点。
四球から失点を与える悪い形で、点差を詰められる。
結果的に、その後は信太の反撃を食い止めて11対2の8回コールドで勝利したが、岡田監督は決勝に向けて気持ちを引き締め直した。
「(打線も)関本を4番に戻したというよりも、大西も関本もどっちもどっちやったんで。今日もあまり機能しなかったですね。
最後の試合ができるということで、本当に良いゲームになればと思います」
また四死球からの失点を許した点では、正捕手の関本勇輔も反省しきりだった。
「ボール先行の投球は投手だけの責任ではない」と強調し、決勝戦に向けて投手とのコミュニケーションをより綿密に取っていくことを口にした。
「四球が続いたのは僕の責任でもあります。声掛けやコミュニケーションをしっかりと行って、より投げやすいと思ってもらえるキャッチャーになりたいと思います」
今大会は準決勝で大会の打ち切りがすでに決まっており、準決勝が実質の最終戦となるが、最後の最後に大阪の二大巨頭の対決が実現した。どんな戦いになるのか注目だ。
(記事=栗崎祐太朗)