試合レポート

梼原vs高知西

2020.07.19

梼原・2年が先陣・3年が締めて初戦突破!

梼原vs高知西 | 高校野球ドットコム
梼原先発・小川 竜輝(2年)

 3年前の2017年「第99回全国高等学校野球選手権高知大会」では初の決勝戦進出で明徳義塾に3対7と奮闘。3,000人あまりの山峡のまちを大いに沸かせた梼原。その大躍進に憧れて県内外から集った選手10人・マネージャー1人が最後の大会を迎える中、チームを勢い付けたのは「3年生にとって最後まで悔いのないようにしてほしい」想いを持つ2年生たちであった。

 先発した小川 竜輝(173センチ82キロ・右投右打・高知中出身)は最速130キロのストレートと120キロ台のツーシーム、スライダーを「7割程度の力で」投げ分け、4回まで無安打投球。5回裏・8回裏には「彼らなりによくやってくれた」(南 進監督)高知西の奮闘もあり、本人も反省する複数失点を許したが、「そこで初心に立ち返ることができての」115球4失点(自責点2)完投は、今後に向けても収穫を得らえる内容だった。

 打に目を向けても4回裏二死三塁から俊足とバットコントロールを活かした遊撃先制打を放った9番・大野 尚洋(捕手・右投左打・170センチ65キロ・梼原町立梼原中出身)と「ファーストストライクから思い切り振ろうと思って」2本の適時二塁打3打点をあげた8番・若木 清修(二塁手・右投右打・161センチ63キロ・久御山町立久御山中<京都>出身)もはいずれも2年生。そんな想いを受け9回表には3年生の上位打線がつながり、一挙5点をあげて梼原は試合を決めた。

 その9回にチーム10点目となる適時三塁打。東京・世田谷リトルシニアから「祖父母が高知県四万十市だったし、野球をやるにはもってもいの環境と思った」梼原に進み、現在は主将・4番・右翼手・高校で進化したアンダーハンドと1人4役を務める山下 斗志樹(3年・右投右打・180センチ69キロ)は次戦の第4シード・高知商戦へ向け、チームスローガン「雑草魂」を出し切る意気を語った。

 

 「1・2年生も3年生に力を出してもらおうとしてくれているので、チーム全員で闘いたい。高知商は倒しがある相手なので、僕が投げるつもりで頑張ります」

 そう、彼らの目標は初戦突破ではない。自分たちの高校野球生活を導いてくれた先輩たちが立った決勝戦の舞台を味わい、勝つことだ。

(文=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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