「夏勝つぞ」という雰囲気ある 三重の伝統校・松阪商は夏の頂点目指す
松阪商の選手たち ※2019年5月に撮影
準決勝で津商。そして東海大会出場のかかった3位決定戦では松阪市のライバル・三重の前に敗れベスト4。東海大会には進むことが出来なかった松阪商。その悔しさをチーム全体がかみしめ、「去年以上に『甲子園に行きたい』想いをチーム全体で持って練習に取り組んだ」と高校通算50本塁打の主砲・阪本和樹は振り返る。
高いモチベーションを保ったままオフシーズンを過ごしたが、新型コロナウイルスの影響で活動自粛をせざるを得ない状況に。現在は活動を再開しているが、5月までは練習できない時期が続いた。
自粛期間中は、「主将を通じて連絡をしたり、LINEも使ってやり取りをしていました」と北村祐斗監督は休校期間を振り返る。練習メニューは細かく指示は出さない代わりに、「練習再開をしたらすぐに動けるように」と伝えるなどコミュニケーションを取って再開を待ち続けた。
だが、5月20日に日本高野連から夏の甲子園と地方大会の中止が正式に発表。松阪商では20日の時点では休校だったため、すぐにミーティングなどを開ける状況ではなかった。
「その時もまずは主将と電話で話をしたり、LINEを使ってメッセージは伝えました。後日あった登校日の時に改めて選手たちと話をしましたが、具体的な話はできませんでした」
6月9日、三重県では独自大会の開催方向で準備が進んだことで、目指す場所ははっきりした。
「選手たちとは『やってきたことを出せるようにしよう』と言うことで前向きな話はできました。少しずつ練習の雰囲気も良くなってきています」
練習が再開して2週間が経過しているが、日に日に選手たちの動きは良くなってきた。既に練習試合もすることができ、選手同士が切磋琢磨をして独自大会の優勝を目指して練習を重ねている。
「秋の大会でエースだった松山心が、130キロくらいだった球速を140キロまで伸ばしてくるなどいい刺激を与えてくれて。『夏勝つぞ』という雰囲気を作ってくれています」と北村監督もチームの士気の高さを実感している。
三重県は7月11日から独自大会が開催される。あと一歩で東海大会を逃し、どこよりも悔しさをもって研鑽を重ねてきた松阪商は、頂点を目指し邁進を続ける。
(記事:田中裕毅)
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