昨夏東東京4強の上野学園・小川監督「最悪を想定して最善を尽くします」
上野学園ナイン(写真提供:上野学園野球部)
7月18日から東京都では独自の大会を開催することが決定した。6月に入り、学校が再開し部活動も徐々に再スタートしたことで、大会に向けて各チームが次第に調整に入ってきた。
昨夏の東東京大会でベスト4に入り、台風の目となった上野学園は自粛期間中、練習に関しては特に指示を出さずに選手たちに任せて過ごしてきた。チームの方で練習内容を徹底しているところもある中で、指揮官の小川貴智監督はどうしてやらなかったのか。
「休校期間が予定よりも伸びたことでオンライン授業が朝から夕方までびっしり入っておりまして、課題も沢山出ているんです。ですので、使える時間が限られている中で、これまでやってきたトレーニングなどを中心にどう自分で考えてやるか、と言うことに重点を置かせてもらいました」
選手たちを信じて自粛期間を過ごしたが、20日に甲子園が中止となった。
「19日の段階で『気持ちの準備と考えの整理をしておきなさい』と話をしました。ですが、実際に決まったときには3年生全員と電話で『今後どうする?』と話をしました」
小川監督は前もって選手たちには3つのパターンを考えさせていた。
・地方大会が開催され、甲子園もある
・地方大会だけが開催され、甲子園が中止
・地方大会、甲子園がともに中止
この3つを想定し、その中でベストを尽くす。それを小川監督は伝えてきたことで、地方大会つまり、独自の大会に向けて「頑張ります」と選手たちからは前向きなメッセージをもらうことができた。
しかし、上野学園では6月1日から学校が分散登校で再開しているものの、12日まで部活動は禁止。最速でも13日から再開となるが、先行きは見えない。さらに普段借りている茨城県の球場も使えないなど、時間と場所の問題を抱える。「選手の体調を含めて、個人的には不安しかない」と活動再開から大会へのビジョンを鮮明に描けていない。
ただ、「コントロールできないことを考えても仕方ないですし、やるから一生懸命やりたいと思っています。最悪を想定して最善を尽くします」と闘志は燃えている。あとは練習できる日が来るのを待つばかりだ。
(記事=田中 裕毅)
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