Interview

セカンド送球は1.9秒台。スワローズジュニアにも選ばれた本田凌太(浦和シニア)が目指すのは「打てる捕手」 

2020.05.23

 昨年8月に行われた、リトルシニア日本選手権大会で見事優勝を果たした浦和リトルシニア。シニア日本代表に選出された山田愼之介選手(花咲徳栄)や長打力が持ち味の坪井蒼汰選手(山村学園)など、チームには実力のある選手が揃っていたが、その中で2年生ながら正捕手を任されたのが本田凌太選手だ。

 セカンド送球は1.9秒台を記録し、また中学通算5本塁打を放つなど、「打てる捕手」として期待の高い本田選手。今回はスワローズジュニアに選出された小学校時代や、浦和シニアでの成長、また高校野球での目標について語っていただいた。

スワローズジュニアで深めた強肩への自信

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本田凌太選手(浦和シニア)

 草野球でプレーする父の姿を見て、野球に興味を持ったと語る本田選手。小学校2年生の時に少年野球チームの吉川ドリームズに入団し、野球人生をスタートさせた。

 センスの良さを買われ初めはショートを任されたが、強肩を活かすために小学校3年生の時に捕手に転向。以来、捕手一筋の道を歩んできた。

「実際にキャッチャーをやってみるととても楽しかったです。キャッチャーは他の選手をまとめたり、チームを引っ張るところが楽しみだと思います」

 強肩強打を武器にキャッチャーとして活躍を見せていた本田選手は、小学校6年生になると東京ヤクルトスワローズジュニアに選出された。
 約500名の選手が参加した選考会を突破し、選出が決まった時は嬉しさがこみ上げてきたが、いざチームに合流するとレベルの高さに驚かされたと振り返る。

「やっぱり上には上がいるなと感じました。上手い人と出会うことができて、色んな技術やプレーを学ぶことができ、本当に良い経験をさせてもらったと思います」

 レベルの高い環境の中で大きな刺激を受けた本田選手だが、他の選手にはない自身の強みも見つかった。それが小学校時代から自信を持っていた強肩だ。
 肩の強さなら他の選手には負けないと感じ、またプロ野球を経験したコーチ陣に技術指導も受けることで、キャッチャーとしてのさらに自信を深めることができた。

「セカンドスローの時は、ちゃんと足腰を使わないと良いボールはいかないよと教わりました。しっかりと足腰を使うと、以前より強いボールがいくようになりました」

[page_break:将来は森友哉選手のような「打てる捕手に」]

将来は森友哉選手のような「打てる捕手に」

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本田凌太選手(浦和シニア)

 小学校を卒業後、本田選手はリトルシニアの強豪・浦和シニアに入団する。
 いくつかのチームの体験練習に参加する中で、選手たちが笑顔で楽しく野球をする雰囲気に惹かれて入団を決めた。

 スワローズジュニアと同様に、浦和シニアも非常にレベルの高い環境であったが、持ち前の強肩と強打を活かして徐々に存在感を示していく。1年生の秋にキャッチャーのレギュラーに定着すると、2年生の春には初の全国の舞台を経験する。
 前述の通り、2年夏にはリトルシニア日本選手権大会優勝も経験し、ここまで順調な成長を続けている。

 「入団時はレギュラーを取れるか不安で、レギュラーを取れた時もプレッシャーがかなりありましたが、品田監督や先輩方にも色々教えていただき大きな経験をすることができました。
 昨年の選手権大会からは諦めない姿勢を学び、(主将となった)現在のチームでも活かされていると思います」

 ここまでの成長で、本田選手が最も大きかったと話すのが先輩たちの存在だ。
 1学年上にはシニア日本代表に選出された山田愼之介選手や、関東屈指の長打力を持った坪井蒼汰選手、また2学年上にも強豪校へ進んだ選手は多くおり、先輩たちから多くのことを学んだと振り返る。

 「山田さんや坪井さんは、打撃も守備も凄かったなと思います。
 特に坪井さんはキャッチャーもされていたので、配球についても教えていただきました。『配球は考えすぎない方がいいよ』と言っていただき、今も気を付けています」

 チームの環境にも恵まれ成長を続けてきた本田選手だが、来年から始まる高校野球ではこれまで以上に「打てる捕手」として活躍していきたいと意気込む。

 目標とする選手には埼玉西武ライオンズの森友哉選手(大阪桐蔭出身)を挙げ、地元・埼玉県のスタープレーヤーのような活躍を誓う。

 「打撃面ではもう少しホームランを増やしたいと思っていますし、キャッチャーとしても盗塁の阻止率を上げたいと思っています。高校野球では1年生からレギュラーを目指して、1日でも早くレギュラーを取れるように頑張りたいと思います」

 キャッチャーは経験値がモノをいうポジションだけに、本田選手の経験の高さは高校野球でも大いに役立つはずだ。今後の活躍にも目が離せない。

(取材=栗崎 祐太朗

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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