「前回以上に目の色を変えて」 不安な思いを振り切って、高鍋(宮崎)は自粛期間をチャンスに変える
高鍋のミーティングの様子 ※写真は2020年2月から
29日から本格的に大型連休に入り、本来であれば全国各地で試合や練習が行われるはずの高校野球界。だが、今年は新型コロナウイルスでどのチームも活動ができず、苦しい日々が続いてる状況である。宮崎県にある高鍋も、数多くの活動自粛中の学校のうちの1つだ。
高鍋は3月後半から一度活動を自粛していたが、4月1日から練習が再開。新入生も一緒にグラウンド上で練習ができる日々が続いていたが、17日を最後に二度目の活動自粛へ。学校も休校になっており、5月の連休明けから学校生活は戻るようだが、部活動は再開できるか目途が立っていない。先行きが見えない毎日に、「内心では不安、心配です」と電話取材で語ったのはチームの指揮を執る山本一夫監督。
「インターハイが無くなって『甲子園も難しい』と考えてしまう選手もいると思うんです。疑心暗鬼ではないですが、心配している選手がいると思うので、『県大会は必ずあるから頑張ろう』と話をしてきました。ただ、話だけでは不安でしたので、気持ちの面や練習メニューをまとめたプリントを渡して、『ここで奮起して工夫をして、チャンスに変えよう』と話をしました」
選手たちとは細かなコミュニケーションを取っているわけではないが、選手たちを信じて再びグラウンドで再開できる日を待っている山本監督。それは普段の練習から細かなところまで指導をしながら、気持ちの面で落ち込むことなく常に前を向き続けられるように選手を育ててきたからだ。そして選手たちに期待をしていることもある。
「前回の自粛明けの時は野球が出来ることにありがたさを感じいましたし、しっかり自主練習をやってくれてていました。ですが今度は夏の予選が近いので、鬼気迫るものと言いますか、前回以上に目の色を変えてやってくれると期待しています」
最後には、「一番は皆と顔を合わせたいですし、またボールを追いかけたいです」と心の叫びを語った山本監督。さらに、「9月入学に切り替えて選抜も甲子園も時期をずらして開催してあげたい」と希望を話してくれた。
山本監督だけではなく、多くの監督が選手たちに大会をさせてあげたいと考えているはずだ。山本監督が語ったように9月入学するのも1つの手段かもしれないが、とにかく選手たちの戦う舞台が整うことを願うばかりだ。
記事:田中 裕毅
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