Column

センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」

2020.04.08

 3月11日、センバツは史上初の中止が決まった。そのセンバツ出場校に対しての救済策が著名人から挙げられている。今回、高校野球ドットコムでもお馴染みのライター陣が各自で考えた救済案を紹介していきます!

 3回目は関東、東海を中心に取材活動を行う手束仁記者です!

センバツ出場校への何らかの救済措置を考えたいのだが

センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」 | 高校野球ドットコム
救済策を考えてみよう

 去る3月11日に、第92回選抜高校野球大会の中止が発表された際には、やはり残念だと思いました。しかし、今こうして緊急事態宣言が発せられるに至って、開催しなかったという選択が正解だったということが改めて感じました。

 その際に、主催者側からは「今回の出場校に対して、何らかの救済措置も考えていきたい」というような発言もありました。しかし、その後も拡大し続ける新型コロナウイルの感染状況を見ていると、正直なところ、それどころではないという感じです。現実問題として夏の大会も開催できるのだろうかという、そちらの不安の方が大きくなってきました。

 既に起きている現象として、一冬のトレーニングや強化練習の成果を発表する春季大会も各地で中止が発表されています。唯一開催していた沖縄県大会も途中で休止となりました。そんな事態になってきています。

 今回の事態は、高校野球の100年を越える歴史の中でも間違いなく太平洋戦争での中断に次ぐ困難だと思われます。そうした中で、私たちは野球ファンは、収束すればその後には、また、高校野球が戻ってくると信じています。清々しい球音と共に球児たちの声がグラウンドに響き渡る、これまで当たり前に見つめてきていた舞台が戻ってくるものだと信じています。

 ただ、それがいつになるのか、まだ見えてきません。そんなこともますます不安感を抱かせていることも確かだと思います。

 ただ、人類の歴史というのは、一方では戦争と疫病との戦いの歴史でもあったのです。そんな歴史を繰り返し何度か滅びかけながらも、必ず立ち直ってきていました。そして、より復興していきながら、次のステージへ向けてグレードアップしていっていたという歴史もあります。

 高校野球の歴史を見てもそうです。かつて米騒動での中止や大戦での中止という歴史もありましたが、必ず復活して、そして更なる発展を続けていっていました。戦争中断後も、いち早く復活すると、多くの人たちに勇気と自信を与えながら、より隆盛を迎えていきました。

 今回も、そうした歴史を重ねていくための試練だと受け止めていきたいと思っています。また、そういう思いで辛い今の時間に対処していくしかないのだはないかというのが正直なところです。

[page_break:敢えて救済措置を提案するなら]

敢えて救済措置を提案するなら

 そして、そうした中で敢えて、選抜出場校への救済措置を提案するとしたら、私は一つしかないと考えています。
 しかも、これはあくまで6月までにほぼ収束を迎えているという前提の下での案でもありますが…。その状況で、夏の選手権大会地区大会開催がどうなっていくのかはわかりません。おそらく、全国で足並みがそろうことは非常に困難かもしれません。

 そこで、そうであればという前提にはなりますが、選抜出場を勝ち取っていた学校での甲子園大会を開催するという案です。

 もちろん、そうなれば選抜出場を逃した他の学校に対してはどうなのだということにはなってしまいます。ただ、選抜の甲子園という舞台を一度は勝ち得たという事実を獲得した選手たちへの救済措置としてはこの手段しかないかと考えます。

 ただ、その必要がないように全国で夏の地区大会が無事開催できるのであれば、それは私たちにとっては、それ以上の幸せだということになります。

 そうなれば、選抜地代表校となった各校としては、出場回数としてカウントされるということも発表されました。ですから、それはその世代の勲章として誇りを持ちながら、夏の大会の地区大会へ挑んでいただければ、「野球をやれる幸せ」を、改めて感じていただけるのではないでしょうか。

 これが、現状で唯一、私として提案できることでしかありません。
 本当に、早く、新型コロナウイルスの拡大感染が収束してほしいと、心から願っています。当たり前に思っていたスポーツのある日常でした。しかし、今回の事態を受けて、当たり前の日常がどれだけ大事で幸せだったのかということも、改めて実感させられています。そんな思いも胸に抱きながら、前を見つめて進んでいきましょう。

(文・手束仁

関連記事
センバツ出場校に対しての救済策を考える 「休養日を有効に活用しての特別試合を実施!」
センバツ出場校に対しての救済策を考える 「ピンチをチャンスに」思える発想を! 私が考える「代替案」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.06.03

【2024年春季地区大会最新状況】近畿は京都国際が初優勝、中国&北信越は4日に決勝

2024.06.04

【春季東北大会出場校一覧】仙台育英の「朗希2世」や、花巻東の1年生野手など注目選手も

2024.06.03

26人もの新入生が入部した都立杉並は夏の台風の目になるか!? OBの母校訪問で部員不足の都立高の未来に一石

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.29

【宮崎】延岡学園と日章学園がともにタイブレークを制して4強入り<県選手権大会>

2024.05.29

【長崎】海星は壱岐、長崎日大は清峰と対戦<NHK杯県大会組み合わせ>

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得