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中日は2010年代に高卒投手の規定投球回到達者は「0」

2020.03.21

中日は2010年代に高卒投手の規定投球回到達者は「0」 | 高校野球ドットコム
小笠原慎之介(東海大相模ー中日)

 5位からの巻き返しを狙う中日の与田剛監督は開幕投手に大野雄大を指名した。新型コロナウイルスの影響で開幕日が延期となっているが、その座は揺るがないだろう。その大野に続くのが柳裕也や一時離脱しているが、梅津晃大といった大卒出身の若手投手たちになる。

 現時点における中日の投手陣を見ると、高卒出身の先発投手で結果を残している選手は多くない。小笠原慎之介東海大相模)や山本拓実(市西宮)といった有望な選手はいるものの、規定投球回には到達したことがなく、年間を通じて戦力になったとは言い難い。

 中日で最後に規定投球回に到達した高卒出身の投手は、2009年の朝倉健太東邦)となる。2010年代はひとりも高卒出身投手から、規定投球回到達者は生まれなかったのである。もちろん、投手の分業制があたりまえとなり、規定投球回到達が全てではなくなった。しかし、先発ローテーションを1年間故障なく回る投手がひとりでも多いに越したことはない。

 中日は高卒出身の投手がまったく育っていないのかというとそんなことはない。先発投手では若松駿太(現BC栃木/祐誠)が2015年に規定投球回にわずかに届かなかったものの、140回を投げ、10勝4敗、防御率2.12の成績を残した。

 中継ぎ投手では確固たる成績を残した選手も誕生している。岡田俊哉(智弁和歌山)は日本代表入りを果たしており、高橋聡文高岡第一)は中継ぎの柱として10シーズン以上も結果を残してきた。小川龍也(現西武/千葉英和)も2016年に44試合に登板しブレイクすると、西武に移籍した2018年以降も変わらず結果を残している。

 また、今年以降に楽しみな存在は多い。小笠原に山本、そして甲子園優勝投手でもある清水達也花咲徳栄)に藤嶋健人東邦)。復活を期する濱田達郎愛工大名電)に鈴木翔太聖隷クリストファー)や石川翔青藍泰斗)と名前は次々に挙がってくる。

 とはいえ故障明けの選手も多く、この先の起用法はわからない。しかし、2020年代に高卒出身の投手が規定投球回に到達しないような事態にはならなさそうな投手たちである。

 とくに小笠原や山本は今年にでも規定投球回に到達してもおかしくない。大野や柳に続く存在として高卒出身の投手たちが出てくると、投手陣の層に厚みが増してくる。はたして、待望の先発ローテーション投手は現れるだろうか。

(文=勝田聡

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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