Interview

目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】

2020.03.29

 昨年のMCYSA全米選手権日本代表に選出されるなど、中学球界屈指の左腕として知られている湖東リトルシニアの南琉人。しなやかなフォームからノビのあるストレートを投げ込み、ある高校の指導者が「中学生の中に高校3年生が交じっている」と表現するほど、その実力は際立っている。

 4月からは神奈川の名門・東海大相模に進み、全国制覇と卒業後のプロ入りを目指す。
 後編では村西監督が知る南の人間性や、東海大相模に進学を決めた理由について迫った。

目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】 | 高校野球ドットコム前編はこちらから!
関西地区を代表する左腕・南琉人(湖東リトルシニア) シニア日本代表に選出までの成長ストーリー【前編】

「繊細なところがある」村西監督が知る南の人間性

目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】 | 高校野球ドットコム
ピッチングをする南琉人(湖東リトルシニア)

 湖東リトルシニアの3年間で大きく成長を遂げた南。体つきや技術面ももちろんだが、「ピンチでも動じない心の強さや自分を追い込む精神を磨けたと思います」と精神面での成長を実感している。

 村西監督によると、南は負けず嫌いな一面があるという。それが日頃の練習や試合で上手く作用し、中学屈指のサウスポーへと上り詰めた。比叡山高校に2度甲子園の土を踏み、プロで7年間の現役生活を送った村西監督は南の将来性についてこう語る。

「凄く良いピッチャーですし、将来性もあると思います。彼の良いところはああ見えて繊細なところがあるところ。本当にピッチャーらしい選手だなと思います。一つ言うなら気持ちに波があるので、それがピッチングに出てしまうところがあります。それがなくなってくると、一皮むけるかなというのがありますね。中学生だから難しいのですが、それを口酸っぱくいってきたので、高校に行ってどこかで気づいてくれるかなと思います」

 現時点でもかなりのレベルに到達している印象だが、村西監督の話を聞く限りではまだまだ伸びしろはありそうだ。高校での更なる成長に期待したい。

[page_break:名門・東海大相模の門を叩く]

名門・東海大相模の門を叩く

目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】 | 高校野球ドットコム
今春から東海大相模に進学する南琉人(湖東リトルシニア)

 投手としてより高みを目指すための進学先に選んだのが神奈川の東海大相模。春夏合わせて甲子園で4度の優勝を誇る名門校だ。

 昨夏の甲子園では地元の滋賀代表・近江に勝利。今年のセンバツも開催されていればタレント集団として注目を浴びていたことだろう。はるばる関東の強豪校に進んだ理由を南は次のように話してくれた。

「試合と練習を見学した時に凄く活気があって、ここで甲子園に出て、全国制覇したいという想いが強くなりました。監督さんは熱意があり、グラウンド環境も整っていて、すごく良い環境だと思って、選びました。先輩から早く技術を盗んで、良い関係を作っていけたらいいなと思います」

 中学時代に海外遠征を経験したこともあり、親元を離れての寮生活に不安はない。新型コロナウイルスの影響でチームでの練習ができない時期もあったが、地元の甲賀市土山町は坂が多く、個人できっちりトレーニングを行えたようで、高校に向けた準備は万全だ。入学後の目標もすでに定まっている。

「高校ではチームのエースになるべく早くなり、全国制覇の立役者と呼ばれるような活躍ができるように頑張りたいです。ドラフト1位でプロになることが最終目標ですし、155キロの球を投げることができたらいいなと思っています」

目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】 | 高校野球ドットコム
ピッチングをする南琉人(湖東リトルシニア)

 現在の球速は130キロ台後半だ。目標の155キロまでは15キロ以上の差がある。「下半身と体幹の強化をしないと、155キロは投げられないと思うので、今はそこを頑張っています」と速球を投げられるための土台作りに取り組んでいる。現在の体格は身長181㎝、体重73㎏だが、高校でトレーニングを積んで体が大きくなれば、理想の投球に近づいてくるのではないだろうか。

 南には目標としている投手がいる。それが菊池雄星(マリナーズ)だ。南は菊池について「日本人なのにメジャーリーグで活躍していて、球も速いですし、フォームにも安定感があるので、目指したいと思います」と語る。

菊池の投球フォームでは軸足となる左足の使い方を参考にしているという。軸がブレることなく、ストライクゾーンにズバズバと投げ込む姿を見ていると、菊池のように甲子園やプロの舞台で活躍する姿が容易に想像できる。

「最終的にはメジャーで活躍して、メジャーでも最多勝や最優秀防御率を獲って、世界を代表するピッチャーになりたいと思っています」と自身の将来を思い描く南。憧れの菊池のように世界の名だたる打者と対決することを目指して次なるステージに進む。

 自慢のストレートが世界を相手に通用するのは実証済み。未来へのステップとなる高校野球でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

(記事=馬場遼

関連記事
ポテンシャル抜群の大型外野手・山地裕輔が天理の4番で座り続ける理由
来田、細川、小深田のスラッガートリオなどタレント揃い!甲子園で要注目な西日本逸材野手29名リスト
選抜があれば要注目だった!中森、小林、岩崎ら西日本好投手リスト23名!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉