古賀 豪紀さん
4月23日に佐世保市議会議員選挙が行われ、古賀豪紀が当選を決めた。高校野球をこよなく愛する人ならピンと来るかもしれない。プロ野球時代はオリックスでプレーし、その後九州文化学園で野球部の監督を務めたのが古賀だ。
高校の指導者としても破天荒で、試合前のシートノックはしない、大会のメンバーは総選挙で生徒が決めるなど、まさに高校野球に新風を吹き込んだ人物だ。そんな古賀が佐世保市議会議員選挙で当選を決めた。
古賀は夢に向かって全力で取り組む人を応援したい・増やしたいという思いから立候補した。もちろん、選挙中のキャッチフレーズは「夢に向かってフルスイング」だ。自分が夢に向かって常に全力で取り組むだけでなく、周りの人も夢に向かってフルスイングできる環境を作りたいという思いがある。
その環境づくりの一つが佐世保の野球事情である。古賀は幼少期にプロ野球選手と出会い、プロへの憧れを抱いた。その後、社会人時代に初めて[stadium]平和台球場[/stadium]でプロ野球の試合を生観戦して感動したそうだ。だからこそ古賀はそのような野球環境が佐世保に住む子供たちの身近にあるようにしたいと思っている。
「佐世保ではここのところずっとプロ野球の試合が行われていないと思います。プロ野球も来なければ、子どもたちの夢もかなわないんじゃないかなぁと思ってですね。やっぱり政治からの力が必要かなと思って。それで出てみようと思って一念発起ました。」
古賀の強さの一つが、未来を語れる熱量に違いない。
九州文化学園監督時代の古賀氏
そして、もう一つの古賀の強さは行動力と結果を導き出す力だ。古賀の選挙活動はなんと1週間だけだった。古賀は告知日の前日まで、現在経営している焼き鳥屋「野球串」で焼き鳥を焼いていた。そして、選挙前の1週間だけ、野球串のスタッフを含めた5人のメンバーと共に猛烈に選挙活動を行い、当選したのだ。古賀の当選順位は、33人中の33番とまさに滑り込みの当選と言える。
このギリギリでも最後に目標を掴み取る力は、実は選挙だけではない。社会人野球(九州三菱自動車)への入団やオリックスへの入団もすべて最後の最後で手を伸ばして掴み取っている。このような球際の強さこそが古賀の特長だと思う。
古賀は当選について笑いながら、
「『夢に向かってフルスイング』だったんですよ。フルスイングしたからこそ、ボールがフェンスを超えたんだなぁと」
と話してくれた。
まさにフルスイングこそが古賀の生き様だ。そしてそれをやりきる姿勢が当選に結び付いた。きっとそんな生き方を見て多くの人が勇気づけられているに違いない。MLBで大谷翔平が唯一無二のユニコーンと称されるなら、古賀豪紀もまたユニコーンに違いない。元プロ野球選手であり、元高校野球の監督、そして議員。そんな古賀氏が佐世保市議員としてこれからどのような活動を見せてくれるのか、期待したい。