野上 士耀
スーパー中学生の進路が注目されるなか、名港ボーイズの野上 士耀捕手は世代屈指の強肩捕手として評価されている。二塁送球のタイムが1.85秒と、高校生のなかに入ってもトップレベルの強肩を誇る。
その野上は、茨城の強豪・明秀日立に進む。
小学校時代から実力は抜けており、2019年のドラゴンズjrに選出され、主力選手として活躍。こうした活躍により、愛知の強豪ボーイズである名港ボーイズに入団。下級生から実績を重ね、中学3年生には指折りの捕手として注目されるようにまで成長した。
さらに中日本選抜にも選ばれるなど、着々と実績を重ねてきた。
今年の3月、野上は超中学級のパフォーマンスを見せてくれた。今回、明秀日立に進む原 玄瑞投手の練習相手のために、わざわざ愛知から駆けつけた。
キャッチボールや遠投を見ると、野上の肩の強さも光っていた。
捕手の基本となるキャッチングでは、原の快速球、スライダーも光っていたが、難なく処理している。
実は野上は原の投球を受けるのは初めて。中学トップレベルの投手をいきなり捕球できてしまうキャッチング能力の高さがある。
自慢のスローイングでは、二塁送球を測ると1.8秒〜1.9秒台の強肩を見せてくれた。
スローイングで参考にしている選手、ポイントを語ってもらった。
「指先の最後の押し込みで送球が伸びるように意識しています。甲斐 拓也選手(ソフトバンク)の足の運びと送球の軌道を見て真似しています」
中学通算10本塁打以上を誇る打撃でも、フリー打撃で次々と柵越えを記録。野上自身はスラッガーではないと語るが、スイングスピードやコンタクト力は高く、能力的には申し分ない。
さらに、人見知りをせず、すぐに打ち解けることができるなど、コミュニケーション能力も高い。初めて会った時、何回か取材しているぐらいの距離感があった。捕手として大事な素質だといえる。
中学球界トップクラスの捕手として騒がれた。多くの名門校から誘いがあったが、明秀日立へ進学を決めた。なぜ明秀日立に進もうと思ったのか。
「金沢監督の情熱がすごくて、この人のもとで野球をやりたいと思いました」と語る。
来る高校生活での意気込みを語ってもらった。
「世代No.1捕手になりたいと思います」
果たして23年から野上の名前が聞かれる機会は多く訪れるか。
(取材:河嶋 宗一)