奥川恭伸はどうなる? ヤクルト高卒投手たちの1年目
奥川恭伸(星稜)
1月も半ばを過ぎた。2月1日に始まる春季キャンプが目前に迫っている。選手たちは全国各地で自主トレを行っているが、なかでも注目を浴びるのが、昨年のドラフト会議で指名されたルーキーだ。
注目される存在のひとりであるヤクルトのドラフト1位・奥川恭伸は、右肘の炎症の影響で、春季キャンプは宮崎県の西都で行われる二軍スタートが確実となった。
ここまで奥川は新人合同自主トレの中でブルペンにこそ入っていないが、キャッチボールは行っていた。しかし、これで当面はノースロー調整となり、ボールを使わないトレーニングが中心となる。
この状況に対し奥川自身は、「(プロで)長くやりたいので1年目は土台作り」と語っており、焦りはない。じっくりと体をつくって来たるべき時を待つことになりそうだ。
この影響もあり奥川の一軍デビューはしばらくお預けとなりそうだが、近年のヤクルトにおける高卒投手たちは、1年目から一軍で登板機会を与えられているのだろうか。2010年代以降のドラフト会議で指名された、高卒投手たちの1年目を振り返ってみたい。
2010年から2018年のドラフト会議で、ヤクルトは9名の高卒投手を指名してきた。そのなかで1年目から一軍での登板機会を得たのは、寺島成輝と梅野雄吾のふたりだけ。ふたりとも一軍で白星を挙げるにはいたらず、どちらかというと苦しい投球内容だった。
二軍ではどうだったのだろうか。各投手の二軍の登板実績を見ると、1年目から10試合以上に登板しているのは市川悠太と鈴木裕太、そして寺島と梅野の4人だけしかいない。理由は様々だが、ほとんどの選手は1年目に一軍・二軍とも登板機会は少なかったのである。
とはいえ、奥川に関しては、今までの高卒投手とは違う特別のプログラムを用意することも示唆されていた。今回のノースロー調整でいったんは白紙になるが、今後どのようなプランとなるかは、ファンにとっても気になるところだろう。
はたして奥川はどのようなプランで、1年目を過ごすことになるのだろうか。その育成方法に注目が集まる。
【ヤクルトにおける高卒投手の1年目成績】
※2010年ドラフト以降
<2019年>
1位:奥川恭伸(星稜高)
<2018年>
3位:市川悠太(明徳義塾高)
[一軍]登板なし
[二軍]18試合/1勝0敗/19.1回/奪三振22/与四球13/防御率2.79
6位:鈴木裕太(日本文理高)
[一軍]登板なし
[二軍]19試合/0勝2敗/19.1回/奪三振11/与四球19/防御率8.38
<2017年>
5位:金久保優斗(東海大市原望洋高)
[一軍]登板なし
[二軍]1試合/0勝0敗/1回/奪三振1/与四球1/防御率0.00
<2016年>
1位:寺島成輝(履正社高)
[一軍]1試合/0勝0敗/3回/奪三振3/与四球3/防御率15.00
[二軍]6試合/0勝1敗/19回/奪三振19/与四球9/防御率2.37
3位:梅野雄吾(九産大九産高)
[一軍]2試合/0勝1敗/8回/奪三振8/与四球9/防御率6.75
[二軍]15試合/1勝3敗/65回/奪三振49/与四球34/防御率3.32
<2015年>
3位:高橋奎二(龍谷大平安高)
[一軍]登板なし
[二軍]1試合/0勝0敗/3回/奪三振3/与四球0/防御率0.00
4位:日隈ジュリアス(高知中央高)
[一軍]登板なし
[二軍]1試合/0勝0敗/1回/奪三振0/与四球0/防御率18.00
<2014年>
指名なし
<2013年>
5位:児山祐斗(関西高)
[一軍]登板なし
[二軍]6試合/0勝1敗/10回/奪三振13/与四球3/防御率1.80
<2012年>
3位:田川賢吾(高知中央高)
[一軍]登板なし
[二軍]3試合/0勝1敗/6回/奪三振2/与四球3/防御率9.00
<2011年>
指名なし
<2010年>
指名なし
(記事=勝田 聡)
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