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「球国愛知」は今年もアツい!2020年の愛知県高校野球の注目校を一挙紹介!

2020.01.07

 令和2年、新しい年が始まって、多くの高校野球チームも新たな気持ちでまずは、来たるべき球春を目指して練習をスタートさせていることであろう。今の時期は、まだまだ体力強化トレーニングやフォームの確認など、基礎練習などがメインになっていることであろう。そして、学年末試験を経て徐々に意識も高まっていくというところであろうか。

 平成最後と令和最初の年となった2019年の愛知県の高校野球。甲子園での成績は春の東邦の優勝、夏のの初戦負けで5勝1敗ということになる。これに、秋の明治神宮大会の中京大中京の優勝を加算すると、昨年の愛知県勢、全国での成績は8勝1敗という数字で、これは決して悪いものではない。さすがに「球国愛知」と誇っていいのではないか。

 そんな前提で2020年、五輪イヤーの愛知県高校野球を展望してみよう。

2020も私学4強が中心。追いかける存在は?

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明治神宮大会で初優勝を飾った中京大中京

 チームとしては、秋季県大会の決勝を争った中京大中京愛工大名電の名古屋市内勢2校、これに享栄を加えた3校と新体制となる東邦といういわゆる私学4強が、中心となっていくことは、今年も変わらないだろう。

 その中で、現状の戦力的構図から言えばやはり、秋季東海地区大会を制した中京大中京が筆頭となる。それを愛工大名電享栄が追い、東邦が続くということになろう。

 そんな中で、チームとしての伸びしろということで言えば11月の1年生大会を制した享栄に期待が持てそうだ。
 この1年生世代に関しては大藤敏行監督も、「自分の指導歴の中でも(中京大中京を率いて全国制覇をした)堂林(翔太=広島)たちの時に引けを取らないくらい充実してきた」と感じているという。

 これに刺激を受けて、経験値の豊かな上田洸太朗君を中心とする現2年生世代が発奮していけば、中京大中京愛工大名電に対する勢力となっていきそうだ。さらには、このタイミングで室内練習場なども整備されてきている。そういう意味では、一冬越えての享栄の成長度が楽しみである。

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注目の至学館

 名古屋地区勢では4強に続く勢力も気になるところだ。まずは至学館があげられるが、一昨年秋に名古屋市守山区の志段味に念願の専用グラウンドも完成。そのことによって、間違いなく打撃練習などは充実してきたという。また、戦い方もトリッキーさだけではなくじっくりとした戦術をとっていかれるようにもなってきているという。

 また、秋の尾東大会を制し1年生大会も3位となった星城も期待できる。星城は昨夏、センバツ優勝校の東邦を下したことで一躍全国的にも注目された。ほとんどが3年生というメンバーの中で坂井田悠真君と宮川怜君が残って、チームの核となっている。

 これに1年生大会で頑張ったメンバーが絡んでくることになるだろう。豊田西から異動し少し間を置いて指導現場に復帰して5年の平林宏監督としても、勝負を賭けていきたいところであろう。さらには愛知を下した名古屋国際などもいる。

 1年生大会の結果ということで言えば中京大中京を下してベスト4に入った愛産大工も期待できそう。また、16年夏ベスト4、17年夏準優勝のあと、2年ほどやや結果が出なかった栄徳も20年は満を持してくるだろう。

 他には中部大春日丘もこのところは安定した実績がある。昨春飛翔した中部大一も期待したいところだ。

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各地区の有力校を一挙に紹介!

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県大会3位の豊川

 尾張地区ではやはり、ポスト甲子園となるの動向が気になるところだ。新チームの準備不足は否めず秋季県大会は初戦敗退となったが、全尾張大会では3位に食い込んでいる。その全尾張大会で優勝した愛知大成は秋季大会以降、系列校の愛知啓成をリードしている感もある。

 準優勝した大府は知多地区の雄として復活を目指す。その知多地区では21世紀枠の県推薦校に選出された東浦も、毎年冬の期間の練習を充実させてチーム力を上げているだけに注目度は高い。近年躍進している日本福祉大付知多翔洋、地区の公立進学校の半田、愛知横須賀も健闘しているので期待したいところだ。

 尾張と名古屋市の公立校としてはこのところ実績のある西春天白、名市工に小牧南一宮興道あたりもどんな戦いを見せてくれるか楽しみである。

 三河勢は、昨秋の実績では東三河勢が県大会では3位豊川、4位豊橋中央ということになり、西三河勢をリード。豊川は東海地区大会にも進出して初戦を突破している。藤枝明誠には終盤競り負けたもののチーム力はある。

 また豊橋中央は全三河大会でも優勝して、萩本将光監督就任1年目からチームとしての自信は高まっている。これに、夏の愛知大会準優勝の愛知桜丘を加えた3校は県上位の力はある。今や、東三河私学3強と言ってもいいであろう。

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安城南も見逃せない

 それに続く存在としては、渥美農と県大会で栄徳、愛知桜丘を撃破した豊橋工か。さらには県有数の進学校の時習館も侮れない。実績のある成章国府豊橋商なども地道なチーム作りで期待したい。

 図抜けた存在がない西三河地区は混戦だ。秋季地区予選は岡崎工が1位となり県大会でも3回戦進出。全三河大会でも準優勝して最も安定している。左腕柵木和陽君の歯切れのいい投球も魅力だ。愛産大三河も県大会はベスト8、全三河大会も3位に食い込みやはり安定している。例年に比べてやや粒の小ささは否めないが、じっくり作り上げていくチームだけに楽しみだ。

 また、安城西尾東も面白い存在になるだろう。一昨年夏の東愛知大会準優勝の実績を見て入学してきた世代の伸びしろも期待できるだろう。

 例年好チームとなっている刈谷や刈谷工、昨夏はベスト8と躍進した安城東、秋季県大会で至学館に競り勝った安城南も一冬越えてどうなっているのか楽しみだ。近年やや低迷で苦しんでいる進学校の豊田西の巻き返しや、指導者がさまざまな取り組みで工夫している岩津豊野岡崎北西尾などもその成果に注目したい。

 フレッシュなところでは、県大会ベスト8に進出した岡崎学園も面白い存在になりそう。豊田大谷岡崎城西、科技豊田と言った私学勢もどこまで整備して春を迎えられるのだろうか。

 いずれにしても、「球国愛知」は激戦。今年も楽しみな愛知の高校野球になりそうだ。

(文=手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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