自宅でできる新年に向けたスタートダッシュ
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
いよいよ年末も押し迫ってきました。皆さんの2019年はいかがだったでしょうか? お正月休みはのんびり過ごす人も多いと思いますが、2020年の高校野球生活がより充実したものになるよう、冬休みの間にもできることをコツコツと行っておきたいものですね。今回は野球選手が自宅で一人でも取り組めるトレーニングやコンディショニングなどをご紹介したいと思います。
基本的な体力を維持する
自重トレーニングは限られたスペースでも取り組むことができる
全体練習がない時期は自分で体を動かさないと、今まで鍛えた筋力や筋持久力などが落ちてしまうことが考えられます。極端にガクッと減るものではありませんが、自宅でも合間を見ながらトレーニングを行うことで筋力や筋持久力などを維持するように努めましょう。
近くに通えるジムなどがあればそこで体を動かすことも可能ですし、自宅でも自分の体重を使って自重トレーニングを行うことでもよいでしょう。今では自重トレーニングを紹介しているアプリや動画などもありますので、こうしたものを見ながら続けることも一つの方法です。下肢筋力や体幹などを優先しながら行うようにしましょう。
ウォームアップ代わりに縄跳びを
近くの公園などでキャッチボールなどができる場合はボールを握る練習をすることもあると思います。そのときにいきなりボールを投げ始めるのではなく、ジョギングなどで体を温めてから行うことを心がけましょう。
自主練習ではウォームアップを短い時間で済ませてしまいがちですが、このときに役立つのが縄跳びです。ジャンプ動作は短時間で心拍数が上がるため、体が温まりやすく、縄さえあれば一人でも手軽にできるものです。跳び方にもいろいろ種類がありますが、前回しや二重跳びだけではなく、後回しでゆっくり跳ぶようにすると「まっすぐな姿勢」と「つま先着地」を意識することができるのであわせて行うとよいでしょう。
体のしなやかさを意識する
ヨガのポーズを取り入れたエクササイズで体幹のしなやかさを養う
股関節をはじめ、体の硬さを痛感する選手は多いと思います。日頃から自宅でもストレッチを行っていますか? 全体練習のときだけではなく、自分でも自主的にストレッチを続けると、柔軟性の改善につながります。体が温まった入浴後の時間にゆっくりとストレッチを行うようにしましょう。
興味のある選手はヨガなどの動画を見ながらポーズを行ってみることもよいですね。スポーツ選手とヨガの相性はよく、チーム全体で取り組んだり、自主トレなどで行ったりする選手もいます。呼吸の意識とともに行うようにすると、体幹の安定性とともに可動性の向上も期待できます。
ランニングはインターバル走や短ダッシュを中心に
自主練習でのランニングといえばロング走をイメージすることが多いと思います。ときには心肺機能を鍛える目的で長い距離を走ることもよいと思いますが、野球では強く走って、しばらく休んで、また走って…という間欠的な中距離走がより必要になってきます。ある距離を走ったらしばらく休み(あるいはジョギングなどでつなぎ)また負荷を強めにしながら走るといったインターバル走を中心に行うようにするとよいでしょう。
またその中に短ダッシュなどを組み込むこともよいと思います。ただし普段のグランドとは違ってコンクリートの上などを走ることが多くなると思うので、シューズが摩耗していないか、また走路の安全性などをチェックし、ランニング後のケアは十分に行うようにしましょう。
自宅で行う自主練習は自分のペースで行うことができるので、うまく時間をみつけて続けるようにしてみましょう。もちろん休むときは休む、楽しむときは楽しむといった切りかえとリフレッシュを忘れずに。2020年に向けてできることから行っていきましょう。
自宅でできる新年に向けたスタートダッシュ
●体力レベルを下げないようにトレーニングを継続する
●自重トレーニングは下肢や体幹を優先しながら行う
●ボールを使う場合はウォームアップを忘れずに
●縄跳びをウォームアップ代わりで使ったり、後ろ回しで姿勢などを意識したりしよう
●ストレッチは継続して行うことで柔軟性の改善につながる。ヨガ動画なども参考に。
●ランニングはロングよりもミドル・ショート系のものを行おう。サーフェスや環境を確認すること。
(文=西村 典子)