二塁送球は山瀬慎之介に匹敵!内山壮真(星稜)は野球センスの塊だ
27年ぶりの対決となった星稜vs明徳義塾の一戦。平日ながら大勢の観客が迎えた一戦となった。そんな注目野手のパフォーマンスを振り返っていく。まずは星稜のプロ注目の強肩捕手・内山壮真だ。
圧巻のスローイングタイム
内山壮真(星稜)
またしても明徳義塾を破ることができなかった。今年は「打線は去年の世代より上」という評判を引っ提げて臨んだ星稜だったが、頼みのエース・荻原吟哉が打ち込まれ、さらに守備のミスも記録に残らないミスも多くあった。内山は主将としてチームをこう総括した。
「守備はずっと課題にしていたチームでいましたし、それでも勝てていましたが、改めてこういう舞台で守備のミスが出たので、守備力を冬場に鍛えていかないといけないと実感しました」
そして明徳義塾の徹底力の高さをたたえた。
「明徳さんは自分たちとヒット数はあまり変わらないのですが、それでも1番から9番まで狙い球をしっかりと絞って打てるところはさすがだなと思いました」
チームとして足りない課題が見つかった。それでも内山のパフォーマンスはさすがという一言だった。
まず新チームから磨いてきたスローイング。
そのタイムは圧巻だった。9イニング中、7回計測し、そのタイムは以下より。
【スローイングタイム】
1回 1.82
2回 1.95
3回 1.95
4回 2.05
5回 1.91
6回 1.95
7回 1.78
持ち替えが速く、無駄な動きを省いたスローイング。もともと内野手をやっていた内山は捕球時から左足から右足に切り替えるときのステップが実に軽快。本人はまだまだというが、タイム自体は去年の正捕手・山瀬慎之助(巨人指名)とほぼ変わらない。山瀬は地肩の強さを存分に生かしたスローイングだったが、内山の場合、効率的な体の使い方で、速いタイムを生み出すタイプだ。
そして高校通算29本塁打を誇る強打でも内容のある結果を残した。第2打席は内角攻めにあい、つまりながらもしぶとく左前安打。第4打席は左前安打。計4打数2安打1四球。内山はこの結果について、
「内容は良くなかったですけど、ただ強く振ったことで強い打球を打てたことは良かったと思います」
マルチヒットを打ったことについては手ごたえを感じていた。
またこの試合に出た課題を冬の練習で克服していくと誓った内山。2020年のドラフト候補として注目され、求められるレベルは非常に高くなるが、内山ならば、その高いレベルを乗り越えてくれるに違いない。
(記事=河嶋 宗一)