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強竜復権へ!竜の黄金世代の小さな巨人・山本拓実(中日ドラゴンズ)

2019.09.30

 令和という新しき元号を迎えた2019年のプロ野球で、高卒2年目・1999年度生まれの選手たちが躍動している。36本塁打で10代本塁打数記録を塗り替え、中西 太さん(元:西鉄ライオンズ)が出した高卒2年目本塁打記録に肩を並べた村上 宗隆(東京ヤクルトスワローズ・一塁手兼三塁手)を筆頭に、外国人選手1名を含む支配下登録選手34名(セ・リーグ17名、パ・リーグ17名)中、21名(セ・リーグ11名、パ・リーグ10名)が早くも一軍の舞台を踏み、それぞれの舞台で活躍を続けている。

 そこで、今回はその中で特に将来が期待できる選手を何人か取り上げていきたい。第5回では中日ドラゴンズで着実な成長を見せる山本拓実(やまもと・たくみ)を紹介する。

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高校時代の山本拓実

 167センチ71キロという体格は、大男たちが集うプロ野球の世界ではひと際小さく映る。しかし一旦マウンドに上がると、そんなことは微塵も感じさせない堂々たる投げっぷりを見せる山本拓実(2000年1月31日生まれ・右投右打)。今季は8試合に登板し3勝3敗・43回3分の1を投げて25奪三振・防御率2.91という好成績を残した。

 そんな山本の中学時代は硬式の強豪・兵庫タイガースヤングで主に内野手として活躍。大きな実績は残せなかったが、市立西宮に進学し1年秋から投手としての出場機会を増やす。2年夏には香住との1回戦で、8回参考記録ながら無安打1四球9奪三振に抑え、ノーヒットノーランを達成。その後の登板はなかったが、チームのベスト16進出に貢献した。

 2年秋は地区大会敗退に終わったが、3年春にはエースとして春季兵庫大会ベスト8に進出。迎えた3年の夏、順調に勝ち進んだ市立西宮は準々決勝で報徳学園と対戦。春の準々決勝の再戦となった一戦は、1対2と同じスコアで敗戦。延長10回に及ぶ死闘の末、山本の高校最後の夏が幕を閉じたが、小園 海斗(当時2年・現広島東洋カープ)を4打数無安打に抑え込むなど、大器の片鱗を見せつけた。

 その年のドラフト6位で中日に入団すると、1年目からファームで登板機会をつかみ、16試合に登板し、41回3分の2を投げて31奪三振、防御率4.54を記録。シーズン終盤に一軍昇格を果たすと9月12日・地元阪神甲子園球場での阪神タイガース戦の4番手で初登板。2回を投げ1安打無失点、3奪三振の好投を見せた。

 2年目の今季は登板機会を増やし、プロ初勝利を含む3勝を挙げるなど、順調にステップアップを見せている。今季は5位に沈んだチームにあって、既に一軍デビューを飾った同期の清水 達也石川 翔伊藤 康祐高松 渡らとともに輝きを放っている。この高卒2年目世代が竜を背負って立つ日も、近いのかもしれない。

(記事=林 龍也

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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