10名中4名が高卒ドラ1!甲子園の優勝校のエースの現在地
令和最初の夏の甲子園は、履正社の初優勝で幕を閉じた。履正社のエース・清水大成は6.2回、120球を投げ3失点も、6奪三振と、堂々たる投球を見せてくれた。清水が今後どんな進路に進むのかは今後の楽しみだが、これまでの甲子園優勝校のエースはどのような進路に進んだのだろうか。
過去10年の優勝校とエース
高校時代の島袋洋奨と吉永健太朗
過去10年間の甲子園優勝校のエースたちを並べると、やはりというべきか、そうそうたるメンツが並んだ。2009年の堂林に始まり、8名がプロ入りを果たしている。しかも、中央大を経た島袋以外の7名は高卒でのプロ入り。さらに、藤浪、高橋、小笠原、今井の4名がドラフト1位指名でのプロ入りだった。
野手としてプロ入りした堂林は、3年目の2012年に開幕スタメンを掴むと、全試合出場を果たした。14本塁打を放つなど、将来の主砲として期待され、翌年も105試合に出場。順調にキャリアを歩むかに見えたが、以降はなかなかスタメンの座をモノにできずにいる。
投手でプロ入りした7名のうち、ルーキーの柿木以外は一軍のマウンドを経験している。現在は育成契約となっている島袋は、ルーキーイヤーに2試合に登板。藤浪はここ数年こそ本来の投球ができずにいるが、デビューから3年連続二桁勝利を挙げるなど、エース級のピッチングを見せた。
小笠原は昨秋、左肘の手術を受けたが、今夏無事復帰しプロ入り後最速となる151キロを計測。高橋、今井は西武のローテーション投手として活躍し、Aクラスを走るチームを支えている。
プロ入りしていない2名も、それぞれの舞台で熱い戦いを見せている。吉永は早稲田大からJR東日本に進み、野手転向、右肩の手術を経て投手に復帰。JABA静岡大会、JABA岡山大会で公式戦登板を果たした。同志社大に進んだ福島は、今春からHonda鈴鹿に入社。ここからの活躍次第では来秋でのドラフト指名もあるかもしれない。
「甲子園優勝投手は大成しない」などという言葉を耳にすることもあるが、若い彼らが今後、その言葉を払拭するような活躍を見せてくれることを期待したい。
(記事=林 龍也)