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2年生エース・山本省吾を率いる星稜が決勝へ!24年前の夏の甲子園を振りかえる

2019.08.21

 大エース・奥川恭伸を擁する星稜中京学院大中京に勝利し、24年ぶりの決勝進出を決めた。夏の甲子園で初めての決勝進出を果たした履正社との決戦が決まったが、ここで前回星稜が決勝進出を果たした24年前の夏の甲子園を振り返りたい。

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第101回全国高等学校野球選手権大会

2年生エース・山本省吾が一人で投げ抜き準優勝

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 当時の星稜のエースは、2年生左腕の山本省吾。高校卒業後は慶應義塾大に進学し、東京六大学野球で活躍。通算21勝、307奪三振を記録すると、2000年のドラフト1位で近鉄に入団。球団名が変わってオリックス、DeNA、ソフトバンクを渡り歩き、通算40勝を挙げた投手だ。

 山本は2回戦の県岐阜商戦で完封勝利を挙げると、3回戦の関西戦でも9回2失点、準々決勝の金足農戦では9回3失点、準決勝の智辯学園戦では9回1失点と抜群の安定感で全試合完投。決勝の帝京戦で敗れこそしたものの、9回3失点という堂々たる投球を見せつけた。

 2013年限りで引退した山本だが、2014年からはソフトバンクのスカウトとして活動している。もしかしたら後輩の奥川を、24年前の準優勝投手が担当…というロマンも実現するかもしれない。

初戦で140キロを計測したのはわずかに3人?!

 今でこそ140キロを計測する投手は珍しくないが、当時の甲子園の初戦で140キロを計測したのは、帝京で優勝投手に輝いた白木、盛岡大附・小石沢、敦賀気比・飯田の3名のみ。星稜・山本の初戦の最速は132キロだった。

 高校野球の高速化に大きな影響を与えた150キロ右腕・松坂大輔が全国にその名を轟かせたのは、その3年後のことである。ここから高校生投手の球速はどんどんアップし、現在では140キロオーバーだけで20人以上を数えるほどとなった。

77回大会は福留のための大会だった

 「まるで福留の独壇場。福留のための大会だった」

 そんな声も上がるほどに、PL学園福留孝介の活躍は圧倒的だった。初戦の北海道工戦でいきなり2打席連続本塁打を放つなど、スカウトたちの注目を一身に浴びた。

 この大会から24年が経った今も、プロ野球の第一線で、しかも甲子園を本拠地とする阪神で活躍しているのだから恐れ入る。

甲子園史上初、女性がベンチ入り

 女子マネージャーが甲子園練習でグラウンドに立ったことが大きな話題となったが、実は誰よりも先に甲子園のベンチに入った女性がいた。それが柳川の野球部長・高木功美子氏だ。

 就任最初の夏で甲子園出場を果たした柳川の末次秀樹監督は、女性部長の就任のほか、「長髪OK」を打ち出すなどの指導が話題を呼んだ。ここから四半世紀近くが過ぎた今も、こういった話題は様々な議論が巻き起こる。当時としてはまさに「革新的」な指導・抜擢だったと言えるだろう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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