Column

名勝負あり、逆転劇あり2回戦16試合も見ごたえ満載!

2019.08.15

 

 8月10日の第3試合から2回戦16試合が開催された。2回戦もハイレベルな戦いが繰り広げられた。逆転劇も多く、見ごたえのある試合が多かった。

2回戦で好カードが連続

名勝負あり、逆転劇あり2回戦16試合も見ごたえ満載! | 高校野球ドットコム
中森 俊介(明石商) 写真:共同通信

 岡山学芸館vs広島商の中国地方の隣県同士の対決は8回裏、岡山学芸館が3点を入れて大逆転に成功。名曲・サウスポーに乗っての逆転劇に鳥肌を感じた方も多いはずだ。

 試合後、佐藤監督は「学校創立60周年という記念すべき年に甲子園1勝ができてとてもうれしいです」と喜びのコメントを残した。

 作新学院vs筑陽学園は9回裏、筑陽学園は二死から連打でチャンスを作り、8番・石川 湧喜の三塁打で同点にした攻撃は見事だった。10回表、作新学院は1番福田真夢が二盗、三盗を決めて決勝のホームを踏んだ。三盗の場面、エンドランだった。スタートが遅れた中で決めたが、福田はさらりとこういった。
「エンドランで打者が空振りして盗塁を決めるのは練習でやっているです」
土壇場の場面で練習通りのプレーが決める福田のメンタルの強さに恐れ入った場面だった。

 東海大相模vs近江の一戦は6対1。滋賀大会無失策の近江はまさかの6失策。近江のショート・土田龍空は「機動力は警戒していたので、その相模の足でプレッシャーをかける戦略は想像以上でした」とこぼした。真の堅守というのは東海大相模のような足攻を想定したうえで冷静に守ることだと実感した。

 中京学院大中京vs北照の一戦は、中京学院大中京が逆転勝利。この試合では193センチの剛腕・赤塚 健利が登板。最速148キロをマークした速球だけではなく、ほぼストレート中心の配球に注目が集まったが、これはチームの方針でストレートを磨かせているようだ。

 明石商vs花咲徳栄。4万4000人の大観衆の下で行われた熱戦は4対3の1点差ゲームとなった。明石商花咲徳栄の分析に1日4時間を使って試合の準備を行った。その作業が実った試合だった。

 宇部鴻城vs宇和島東の一戦は宇部鴻城が7対3で勝利。1番ピッチャー・岡田佑斗が春夏史上初の「1番投手」本塁打を記録。ちなみに岡田は投手として入学したものの、しばらくは野手専念。6月に投手に復帰したばかりだった。吉田輝星投手の映像を見ながらボールの回転数を高める努力をしてきた。

 長崎海星vs聖光学院の一戦は3対2のロースコアのゲームに。柴田蓮人は93球の完投勝利と、リズムの良いピッチングが光った。

 八戸学院光星vs智辯学園の一戦は6回裏、智辯学園が7点を入れて大逆転したが、八戸学院光星が追いつき、再逆転に成功した。八戸学院光星の主将・武岡龍世智辯学園の主将・坂下翔馬から「優勝してこいよ」と激励された。2人の仲の良さがわかるエピソードである。

[page_break:鶴岡東vs習志野の一戦は2回戦最大のハイライト]

鶴岡東vs習志野の一戦は2回戦最大のハイライト

名勝負あり、逆転劇あり2回戦16試合も見ごたえ満載! | 高校野球ドットコム
丸山蓮(鶴岡東) 写真:共同通信

 高岡商vs神村学園の一戦は4対3の接戦の末、高岡商が勝利を収めた。エース・荒井大地は昨秋から右横手投げに変えて、打ちにくさを求めた結果が甲子園での活躍につながった。

 履正社vs津田学園の一戦は履正社がプロ注目右腕・前 佑囲斗を3回まで6点を奪う猛攻。全国トップクラスの強打を示した。センバツに奥川恭伸に抑え込まれ、改めて自分の打撃フォームを見直し対応力を高めたようだ。

 星稜vs立命館宇治の一戦はリリーフで登場した奥川恭伸が歴代2位タイの154キロを計測し観衆を沸かせた。奥川は「出たのは嬉しいですけど、ボール球だったので」と苦笑い。次は指にかかってストライクコースで150キロ超のストレートを見せることを期待したい。

 智弁和歌山vs明徳義塾の一戦は智辯和歌山が11年ぶりの1イニング3本塁打。自身が作った記録を再び達成するのだから恐ろしい。なお、エースの池田陽佑が150キロをマークしている。

 敦賀気比vs國學院久我山は19vs1と圧巻の試合内容。敦賀気比の3番杉田翔太郎が15年ぶりのサイクル安打を達成。杉田はお立ち台で、「自分がまさか達成するとは思わなかったので素直に嬉しいです」と笑顔を見せた。

 仙台育英vs鳴門の一戦は8対5で仙台育英が勝利。7回から登板した1年生左腕・笹倉世凪は最速144キロを計測。3回無失点の好投を見せた。高校入学から登板を重ね、内外角を投げ分ける重要性を感じていた笹倉。しっかりと甲子園で好投を見せた。

 鶴岡東vs習志野の一戦は鶴岡東が9対5で勝利。地元・鶴岡出身の丸山蓮が二打席連続弾。しかも習志野のエース・飯塚 脩人から放ったものだった。丸山は後攻では自身初の二打席連続弾でお立ち台で「素直に嬉しいです」と笑顔を見せていた。

 関東一vs熊本工の一戦は6対5で関東一が制した。関東一はエース・土屋大和が5失点完投勝利。1回戦からフォーム、配球面で修正を重ねた結果が完投勝利へとつながった。

 さあいよいよ3回戦8試合も見逃せない。

(記事=河嶋 宗一

名勝負あり、逆転劇あり2回戦16試合も見ごたえ満載! | 高校野球ドットコム組み合わせ日程はこちら

第101回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.27

【滋賀】シードの滋賀学園、彦根総合が登場<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!