試合レポート

龍谷大平安vs花園

2019.07.08

龍谷大平安がコールド発進!公式戦復帰の奥村が3安打

 3季連続の甲子園出場を目指す龍谷大平安が登場。7対0の7回コールドで連覇に向けて順調なスタートを切った。

 龍谷大平安に頼れる選手が返ってきた。センバツ1回戦の津田学園戦で決勝打を放つなど勝負強い打撃が光る奥村真大(2年)だ。昨秋から打線の中心として活躍していた奥村だが、不整脈を持病として患っていて、1月にはカテーテル手術を行った。手術後に症状は改善したが、センバツ後に再び体調を崩して春季大会は欠場。奥村の穴は大きく、春は3位に終わっていた。

 現在は体調も回復して、この夏は定位置の5番サードで復帰。1回表の二死一、二塁で第1打席が回ってきた。「チャンスが好き」と話す勝負師はインコースのストレートを上手く振り抜き、先制の左前適時打を放った。この一打で勢いに乗った奥村は第2打席で左前安打、第三打席でレフトオーバーの二塁打を放ち、4打数3安打の活躍。「目標にしていた10割は無理でした」とおどけたが、上々の出だしを切れたと言っていいだろう。

「自分がこうして試合に出ているのは指導者の方々が気を遣って下さったおかげなので感謝しています」と指導者への感謝の言葉を口にした奥村。体調を崩していた春先は自分の体調と相談しながら練習に入ったり抜けたりを繰り返していたという。感謝の気持ちを示すためにもバットで結果を出していきたいところだ。

 立ち上がりに先取点を奪ったことで龍谷大平安は常に自分たちのペースで試合を進めることができた。2回に8番・多田龍平(3年)の適時打などで3点を加えると、3回にも7番・長畑海飛(3年)、多田の連続適時打で2点を追加。早々に試合の大勢を決めると、先発の18403(3年)も走者を出しながらも要所を締める投球で最後まで花園にホームを踏ませなかった。

 危なげなく初戦を突破した龍谷大平安。奥村が活躍を見せた一方、主将で4番の水谷祥平(3年)が無安打だったことに対して原田監督は「水谷が打たないと奥村にプレッシャーがかかる。奥村には楽しく打たせてやらないと」と主将の奮起を促していた。

 昨年は「お前たち最高だぜ!」の掛け声で話題を呼んだ原田監督だが、今年に関しては「まだ抑えています。『この大会はお前たちを信頼しているから、期待しているから』と言いました。でも上に行ったらワイワイ言わないといけないと思います。今年は壊れないです。でもおかしくなるかもわからんというヒントを出しました。なんやろうなと思っていると思いますけど」と含みを持たせた。大会が進むにつれて原田監督のベンチワークに変化が見られるかもしれない。

 夏は8強に終わったセンバツ以上の結果が期待される龍谷大平安だが、奥村は「まずは京都大会を昨年の夏のように圧倒するという目標を持っています」と目の前の戦いに集中している。甲子園通算103勝の名門がこの夏も京都の主役となるだろうか。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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