試合レポート

郁文館vs都立小岩

2019.07.19

郁文館が粘り強く16強!古矢は10安打されながらも2失点完投

 3回戦では都立青山との壮絶な打ち合いを制し、4回戦に勝ち上がってきた郁文館。対するのは終盤の集中打による逆転劇で3回戦を突破した都立小岩
 どちらも打撃が好調な中で迎えた4回戦だったが、試合は僅差の投手戦となる。

 まず先制したのは郁文館だった。3回裏、郁文館は四死球などを絡めて二死満塁のチャンスを作ると、6番・竹村侑翔が外角の直球を上手く流して、レフト前へ2点タイムリーヒットを放つ。
 さらに後編に入った6回、郁文館は一死から7番・滝沢大輝がレフト線を破るツーベースヒットでチャンスメイクすると、続く8番・吉田響輝がセンターへのタイムリーヒットを放って追加点。
 試合は、3点のリードを奪った郁文館のペースで進んでいく。

 そんな郁文館の先発は背番号1のサウスポー・古矢彩冬。直球も変化球も決して浮くことなく、低めに丁寧に集めることが出来る技巧派左腕で、しっかりとゲームメイクをする。7回までに7安打を浴び、序盤から再三ランナーを背負うものの、粘りのピッチングでホームへは返さず、試合は終盤の攻防へと入っていく。

 ここまで郁文館の古矢に抑え込まれていた[team]都立小岩[/team]打線だったが、8回表にようやく反撃の狼煙を上げる。
 ヒットや四球などから一死満塁のチャンスを作ると、4番に座る間中琉尊がレフト前へのタイムリーヒットを放ち、ランナー二人が生還。1点差に追い上げ、なおも一死一、二塁と得点圏にランナーを置く。
 だが、続く5番・橋詰善彦は投手ゴロに打ち取られ、6番・佐久間もキャチャーへのファウルフライに打ち取られる。
 逆転の決定機を逃し、都立小岩にとって痛い残塁となる。

 結局、都立小岩は最終回では古矢を捕らえることが出来ずに、試合はそのまま3対2でゲームセット。最後まで粘り強く戦い続けた郁文館が5回戦に進出した。

 これで郁文館は、野球部としての最高成績である「ベスト16」入りを果たした。
 試合後、郁文館の田中幸雄監督は課題を上げつつも、部の歴を塗り替えることに意欲を燃やした。

 「もっと点を取りたかったのですが、前回の試合よりもいい雰囲気でチームが一つになっています。これまでの最高がベスト16と聞いているので、新しい歴史を作りたいと思います」

 郁文館は、7月20日に[stadium]明治神宮野球場[/stadium]にてベスト8進出を懸けて、日大豊山と対戦する予定だ。郁文館が新しい歴史の扉を開くか注目だ。

(文=栗崎 祐太朗

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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